ある男が某ディスカウントショップで超有名ブランドのヘッドホンを考えられないほどの安価で手に入れた。
男は「ずっと欲しかったあのブランドのヘッドホンがこんなに安く手に入るなんて俺は超ラッキーだ」と有頂天になっていた。
早速家に帰ってそのヘッドホンを開封、ミュージックプレイヤーのお気に入りのプレイリストを大音量で再生し、使い心地を確かめてみた。
鳴り響く重低音、バランスのとれた高音域、最高じゃないか。これがホントにあの値段で手に入ったなんて信じられない。
しかし、違和感を覚えたのは曲も中盤に差し掛かったところだった。
ノイズが聞こえる。
それもずーっと継続的に鳴っていて、なかなか止まない。
違和感は次第に不快感に変わっていった。
ノイズのように聞こえていたものはなんだか人のうめき声のように聞こえはじめた。
男も流石に「なんだよ、ぶっ壊れてんじゃねえか。不良品でもつかまされたんかぁ?」と思い、プレイヤーを止め、
ヘッドホンを外した次の瞬間耳元で
「しねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしねしね」
作者東京マッドハイセン
ノイズはイヤホンから聴こえていたわけじゃなかったという事ですね。