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オカルト信じてないのに、その2

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オカルト信じてないのに、その2

前回の続き。

家の中で足音がする、朝にインターホンが鳴る、死んだ母が私を心配しているのだと友人からの指摘。

漠然と理解しつつも、当事者としてはオカルトを信じるのは拒否反応があった。だって受け入れちゃうと怖いでしょ。階段のきしみ音、誰もいない部屋に響く「パン!」というラップ音?は湿気による柱の木材の収縮音、インターホンが鳴るのはクロアリが配線をかじっているため、と自分の中で理屈を組み立てて結論づけた(少し無理やりだったが)。

まぁ、生活の乱れが矯正されたのは、素直に「母さん、ありがと」と心で唱えてたけど。

ある日、さらにおかしなことが起き始める。

私の外出時、誰もいない台所、リビングのガラス窓に人影が動くのを友人や周辺住民が多数目撃、階段だけだった足音は部屋の中や他の場所でも起こり、ラップ音のような謎の大きな音は自分がいる部屋の中でも突如発するように。なんか現象の範囲が広がってねえか?内容も明らかに変わってきている。

これまで「誰かが私に存在を知らしめようとしている」状態だったのが、「家の中でうろつきまわっている」現象に変わり、さらには「誰かが私に悪意を示し、脅そうとしている」と感じるように至った。

あまり思い出したくないけど、居るはずのない2階で誰かが走っている音がする、風呂に入っているとガラス戸に人影が映る(なぜか子どもなんだ)、電話が鳴ると無言、そして微かな子どもの笑い声、など。

私の状況を心配した近所の幼なじみが時間の許す限り家で私と寝食を共にしてくれて、そのおかげで何とか暮らせる、という有り様。その頃、私は無事に高校を卒業したものの、大学進学で浪人していた。

夜遅くに帰宅したある日、駐車場に自転車を止めて勝手口から鍵を開けようとすると、強烈な「嫌な気配」を胸で感じた(頭で認識するというより、その刹那に胸で受け止めたって感じだった)。

いま入ってはいけない気がして、随分迷ったけど入るしかなくて、鍵を回した瞬間、勝手口のドアが「ドーン!」という音。いや、ほんとびびった。そしてすぐに強い怒りを感じて、力いっぱい何度も壁を踏み蹴って何やら叫んでしまい、少し離れた隣家の旦那さんが驚いて出てきたほど。

そしてそのまま家を離れ、深夜なので友人宅に向かうこともできず、その日は海の近くの公園で夜を明かした。

その3に続く。

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