「俺には夢が有るって言ったっけ?」
エドは同僚のAにふと気になった事を聞いてみた
「お前ホントに認知症なんじゃないか?何度も聞いたって、ドイツに行ってビール片手にソーセージを食べたいんだろ?」
Aは何度も同じ事を言ってくるエドが本気で心配にってくる
「言ってたか、でも俺マジで夢なんだよな、その為に今頑張って金貯めてるんだし、でも聞いて驚け」
「あ?」
「なんと、遂に100万貯まったんだ、これでドイツ旅行に行く事が出来るんだぜ?どうよ」
エドはドイツ旅行に行こうと思ってから、毎日コツコツ金を貯めてきた自身の頑張りを思い返しながら、誇らしげにAにそんな事を言う
「なんだよそのドヤ顔腹立つな、でも良かったな念願の夢が目前じゃん」
「あぁ、マジで楽しみだ、次のゴールデンウィークにドイツに行く予定、土産期待しとけ」
「ソーセージ頼むわ、あ、あとさ」
Aも自身が楽しみたい本場のソーセージを希望しながら、言おうと思っていた要件があった事を思い出す
「お前なんかニヤついてるな、まぁ今週末は空いてるぜ?」
Aがニヤニヤしている時は大体気になる心霊スポットを見つけた時だ、何を隠そう、Aは心霊系の事が大好きである
「なんでいつも言う前に心霊スポット行くって分かるんだ」
「お前が間抜けな顔してる時は大体それだからな」
エドはケラケラ笑いながら口を尖らせているAをからかう
「まぁ行く日に迎えに来てくれたまえ」
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「さて心霊スポットに着いた訳だが、ここなに?」
エドは目的の場所に着いたと言うAに、少し眠気がある頭で聞いてみる
「お前眠そうだな、まぁいいや、ここはオカルト業界では有名な吊り橋があるんだ」
「ふーん、で、どんな幽霊が出るんだ?」
肌寒い気温で目が冴えてきたエドはまだ聞いていなかった事をAに聞いてみる
「谷底から手が伸びてきて、足を掴まれたら最後、橋から引きずり降ろされるらしいんだ」
「エラく物騒な話だな、幽霊ってより妖怪かなんかなの?」
エドは橋を渡っただけで殺されるなんて堪らないなと思う
「それは知らん、まぁ行って会ってみれば分かるだろ」
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「これか」
目の前には金属製のワイヤーに吊るされた吊り橋がある
「意外にしっかりした作りしてるんだな、今回ハズレ臭いな」
Aは想像していたよりも新しい景色を見て少し落胆する
「まぁ確かに、ここに妖怪が出ますとか言われてもイメージし辛いな」
「何か感じたりする?」
「いや、何も感じない、俺霊感無いし」
夜という事もあり少し肌寒く感じてきたエドは早く渡って早く帰ろと思いながらAから投げられた質問に答えながら、橋の中腹に差し掛かる
「かなり深いな、こりゃ落ちたら確実に死ぬな」
Aは橋から少し体を乗り出し谷底を見て、素直な感想を述べる
「危ないぞ、妖怪以前に事故死したらどうす...」
Aの行動をやめさせようと声を発したが、言葉を途中で止めてしまう
「なんかいった...か...」
エドが何かを言おうとしたのが気になってエドの方を見て喉が詰まった、エドの足を三本の手が掴んでいたのだ
「お前も見えてる?うお!」
掴まれている感覚を気のせいだと思おうとしたが、Aの反応を見て、これはリアルだと確信する中、足を掴んでいる手が谷底に引きずり込もうとする
「頑張って抵抗しろ!!」
Aは持っている海中電灯で谷底から伸びている腕の一本を殴りつける
「だめだコイツらやたらと力が強い」
エドは引きずり込まれるものかと抵抗するが、普段筋トレなんてしないが為か、自身の腕の筋肉が限界に近づいていると悟る
「クソッタレが...」
エドは限界を迎えた自身の力の無さを悔やみながら谷底に落ちて行く
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『俺は死んだのか?』
エドは先程の事を思い出して身震いし、今の状況を脳をフル回転させて認識しようとする
『手も足も動く感覚がない、俺は死んだのか』
今の状況を理解するまで、エラく時間が掛かったなと考えながらこれまでの人生を振り返る
『当たり障りない人生だったけど、楽しかったな、でも、最後にドイツにいきたかったな...っ』
これまで育ててくれた両親には申し訳ないなと思う中、自身の夢を思い出し、夢が叶う一歩手前で殺された事に胸が燃える様に熱くなる
『復讐してやる』
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あれからどの位経っただろうか、武道も触った事のない俺があの腕の長い妖怪に復讐するために、100年もの間、修行に明け暮れ、今や同じ相手に復讐を誓った10人の仲間達と件の吊り橋の下に集う
『よぉ...久し振りだな』
光が一切ない暗黒のなか何かがこちらを睨み付けてくるのを肌に感じる
『俺はドイツ行くのが夢だったんだ、貴様に殺されてから100年、貴様を殺す為だけに修行を重ねてきた!』
エドはこれまで溜めたありったけの怒りを手に持つ漆黒の剣に移し、腕を切りつける
目にも止まらぬ速さで腕と剣が交わり、甲高い音が当たりを貫く
『やるじゃねぇか、そうでなくちゃやり甲斐がねぇもんな!だが、これならどうだ?』
エドは自身を殺した相手に心の中で強敵と再認識し、勝負に出ようと距離を取る
『朽ちた魂よ、俺に力を貸せ 』
『恨晴貴殺!!!』
100年かけて編み出した最強の技を一片の迷いもなくぶちかます
腕は3本あった内の2本は消滅し、残り1本も絶命寸前か弱々しい
『俺の技を食らって未だ立つか、やるじゃねえか』
エドは誰もが最強と認める自身の技に耐える腕に賞賛を送る
『じゃあな』
最後の1本の腕も消滅させ、100年間の戦いに終止符を打った
その後エドは当たりの困っている村々の人達を助けて周り、いつしかこう呼ばれるようになった、
エドワード・スサノオと
作者エドワード
読んで下さりありがとうございます
初めてこういった文章を書く為拙い所だらけで無駄に長いと思いますが悪しからずお願いします
この話は、幽霊vs妖怪だっちが強いの?という疑問から、こんな感じになるのかなと書いた話です
こんな感じで日々下らない事を考えては妄想したいるアホな私ですが、自己満の妄想物語を今後も書いていきたいと思います