私の体験談です。
友人宅で体育祭の打ち上げを泊まりでした時の話です。
中学三年で最後の体育祭ということもあり、その時はクラス全員が打ち上げに参加していました。
打ち上げ場所はお寺の娘でもあるAさんの家、かなり広いという理由でお寺をお借りしました。
みんな王様ゲームや一発芸、中学の思い出話しに夢中でしたね。
そんな中夜中の3時くらいでみんなテンションも下がり寝始める人もぼちぼちいた頃、私も横になりぼーっとしていました。
そんな時です。部屋の片隅に黄色いチェックのスカートに白いシャツを着た女の人が立っているのが見えました。真っ白な肌に長い髪の毛でウェーブがかかっており、可愛らしい感じです。
あれ?お母さんかお姉さんかな?と思って、Aさんに伝えました。
しかしAさんは、え?誰もいないよ?と返事。
わたしは、「え?でもあそこに」と指を指してしめしました。
その時起きていたメンバーみんながその場所を見ましたが、みんな口を揃えて誰も居ないと茶化してきます。
しかしみんなが見ている時もその女性は立っておりこちらを瞬きもせず見ています。
わたしがおかしいのかな?と思いつつも、え?じゃああの人は誰?なんなの?と思わず怒り口調でまくし立てていると、トイレに行っていた2人が「トイレ前の扉バッタンバッタンうるさいよ、もうびっくりしちゃった」と戻ってきました。
Aさんは、「その扉何年も開けてないんだけど…」
ボソッと呟きました。
なんの部屋?と尋ねると、昔働いていた従業員の着替え部屋だそう。今は従業員はおらず使わずに閉めていたそうです。Aさんは怖がりながらもお供を付けて鍵を持ち閉めに行くと、その扉は閉まっており、女性も既にいませんでした。
朝になり住職でもあるAさんの祖父に明け方の話をすると女性の特徴を聞いてきました。
わたしは「黄色いチェックのスカートに白いシャツで長いおしゃれな髪型で…」と答えていると住職はこちらに来なさいとわたしを住職の部屋へ連れて行きました。
その部屋の棚から白い小包をだし中を見ると黄色いチェックのスカートに白いシャツと写真があり、わたしは思わず、あ!!この人!と大きな声。
Aさんはもちろんクラスメンバーも黙り込みなんとも言えない表情でした。
住職は、「この服着ていた人は若くお寺で働くには派手で明るい子でした」と語り始めました。
お寺での仕事を終え出かける際にお寺の階段から足を踏み外し落ちて亡くなったそうです。ご両親もおらず遺骨も遺品もきちんと引き取るところがなく馴染みにしていたAさんのお寺が引き取ったそうです。
可愛らしい顔立ちでしたが、こちらをうらやむ様な鋭い目つきは今も忘れられません。
作者おちゃみ
長文お読み頂きありがとうございます。
今も中学時代の友人と集まると、あの時はびっくりしたよね〜と話したりします。
お寺ではその女性専用の祭壇?が作られ供養しているそうです。