短編2
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赤い人

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これは、知人(Aさん)から聞いたお話です。

Aさんがまだ学生だった頃、あるスキー場でアルバイトをしていました。

シーズン中は泊まり込みでバイトをするので、

近くにある宿舎に何人かで泊まってバイトをしていました。

そのバイト先にBさんという霊感のある方がいました。

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ご飯の時に3人しか居ないのに何故か4人分の箸を置いたり、あそこにいる女の人誰?(実際には誰もいない)など幽霊が日常的に見える方でした。

ある夜にそのBさんと会話をしながら歯を磨いていたら、急にBさんが黙り込んでしまいました。

Aさんはどうしたのかと思いましたが、

Bさんが直ぐにでも洗面所から出たいという雰囲気だったのでAさんも何も言わずに歯磨きを終え2人で部屋に戻りました。

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部屋に戻ってBさんにどうしたのかと尋ねると洗面台の扉から赤い人が覗いているのが鏡越しに見えたと言いました。(心霊現象で赤い色は敵意があると言われています。)

その日はもう遅いので寝ようということになり、2人とも布団に入り寝ることにしました。

Aさん達が布団に入ってからどのくらいたったのかわかりませんが、部屋のドアが開きました。

Aさんは誰かトイレにでも行ったのかなと思い気にしませんでした。

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それから数分後、今度は部屋のドアが閉まり誰かが廊下を歩く音がしました。

さっきの行った人がドア閉め忘れたんだなと思い特に気にせずAさんはそのまま寝てしまいました。

その日以降、あの赤い人も見なくなりBさんも特にその話はしなかったので、だんだんその事も忘れていきました。

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バイトも終わり、Bさんともそのバイト以来会っておりませんでしたが、数年ぶりに飲みに行こうとなり2人で飲んでいる時にふとその赤い人のことを思い出しあの後何かあったか尋ねて見ました。

するとBさんは、

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「ずっと黙っていたんだけど、布団に入った後、ドア開いた音聞いたけど閉まった音聞いたか?

俺毛布を被って隙間からドアの方見てたんだよ。するとあの赤い人が入って来てさ。

1人ずつ顔確かめて、こいつじゃない、こいつじゃないって言ってたんだよ。

Aさんの顔覗いてこいつじゃないって言った時

あっ、俺のこと探してるって思って。

こっちきたから隙間塞いで息殺してたら朝になっててもうそいつ居なかったんだ。

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もしそのまま見つかってたら俺ここに居なかったわ。」

って笑って話していたそうです。

これが、自分が聞いた一番怖いと思った話です。

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