短編2
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慧眼

試験勉強もくそだるい。

部屋の窓を開けて、減煙中の煙草に火をつけ雨空を見上げる。

途端、大きな雨粒が火種にジャストミートしてその断末魔の音とともにある夏の出来事が蘇る。

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当時宝くじの一等が当たった私はモテまくり。

分厚い札束の鎧で無敵だったであろう私はキャバ嬢数人誘って某県の海水浴場に行った。

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5pを夢見ていた私は非常に期待していた。

泳いで花火して酒飲んでバーベキューして…。

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そして二番目にお気に入りの真衣ちゃんが私に言う、人数多くない?

時は丑三つ時。

私の本性がむくりともたげるのは午前二時。

ブルっときた私に一番お気に入りの椿ちゃんがひと言…

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「卓郎呼んだよ」

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誰や?

知らんぞそんな野郎!

誰が野郎呼んでんねん。

て脳内でキレてた。

だがしかし、卓郎はすでに故人だと。二年前に事故で死んだんだって。

なるほど!わからん!

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私には卓郎は見えないんだが、私の大好きな椿ちゃんはその卓郎がいるであろう方向に向かってあれやこれや喋ってる!これマジでガクブルだった!!

私の脳内には「その方向には誰もいない」って表記が表示され続けてる感じ。ドラクエのやつの。

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それから大体一週間後、覚せい剤取締法違反で椿ちゃんは御用となってしまいました。

まああれ多分幻覚見てたんだろうね。(笑)

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でも真衣ちゃんはなぜ人が増えてるのわかったんだろ?

それが未だにわからぬ。

真衣ちゃんに訊けばいいのだけど

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真衣ちゃん

すでに故人なんだよね…

Concrete
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