それは、とても寝苦しい夏の日におこりました。
わたしは、あまりの暑さに
窓を開け、網戸にして眠ろうとしていました。
しかし、どんなに眠ろうとしても、
一向に眠気は訪れず、
とうとう、夜中の3時を過ぎてしまいました。
隣の部屋からは、祖父のイビキが聞こえるほど
静かでした。
そんな中、急に庭の方から、
自転車の急ブレーキの音が聞こえてきたのです。
窓が開いているので、
変質者が入ってくるのではと、
怖くなったわたしは、
急いで祖父を起こして、
外を見てもらいました。
しかし、外には誰もいませんでした。
祖父に窓を閉めてもらって、
その日はそのまま眠りにつきました。
次の朝、庭に出てみたら、
そこには、自転車の車輪の跡と、
急ブレーキを掛けた跡が
はっきりと残っていました。
でも、その車輪の跡は、
Uターンした跡も、そのまま突っ切った跡も何もなく、
途中でぷっつりと消えていました。
ちなみに、母もその急ブレーキの音が聞こえたそうです。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話