短編1
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急ブレーキ

それは、とても寝苦しい夏の日におこりました。

わたしは、あまりの暑さに

窓を開け、網戸にして眠ろうとしていました。

しかし、どんなに眠ろうとしても、

一向に眠気は訪れず、

とうとう、夜中の3時を過ぎてしまいました。

隣の部屋からは、祖父のイビキが聞こえるほど

静かでした。

そんな中、急に庭の方から、

自転車の急ブレーキの音が聞こえてきたのです。

窓が開いているので、

変質者が入ってくるのではと、

怖くなったわたしは、

急いで祖父を起こして、

外を見てもらいました。

しかし、外には誰もいませんでした。

祖父に窓を閉めてもらって、

その日はそのまま眠りにつきました。

次の朝、庭に出てみたら、

そこには、自転車の車輪の跡と、

急ブレーキを掛けた跡が

はっきりと残っていました。

でも、その車輪の跡は、

Uターンした跡も、そのまま突っ切った跡も何もなく、

途中でぷっつりと消えていました。

ちなみに、母もその急ブレーキの音が聞こえたそうです。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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