第1話『トンネル』
深夜の帰り道、トンネル中腹に差し掛かった時、立ち止まった瞬間、カツン。足音が一つ多い。誰かいる。思わず後ろを振り返るが、誰もいない。周囲を見回すがやはりいない。気を取り直し歩き出す、が直ぐに立ち止まる。またカツン。誰だ!?見回すが誰もいない。あと見ていない所は……
上?
第2話『形見の箪笥』
亡き祖母の形見の箪笥。これを見ていると、優しかった祖母の顔を思い出す。
私、もう無理かも、おばあちゃん…。
ふいに涙がこぼれた。
その時だった。頭を誰かに撫でられた感触がした。直ぐに顔を上げる。誰もいない。
ただ、箪笥上段の引き出しが、なぜか勝手に開いていた。
第3話『猿』
動物園、檻の中に1匹だけ気持ちの悪い猿がいた。爛々とした瞳で、こちらをじっと見てくる。
気持ち悪い。
そう吐き捨てた瞬間だった。
目眩がした。視界が一瞬フェードアウトし、直ぐに目に光が戻る。あれ?目に飛び込んできた光景に、私は愕然とした。
檻の外に、不気味に笑う私がいた。
第4話『気配』
気配がする。いるはずのない誰かの気配。車を運転していた俺は妙な寒気に襲われ、次の瞬間、誰も居ないはずの道路でハンドルを切っていた。
見えない何かがそこにいた、そんな気がした。気を取り直し運転を再開した時だった。後部座席から、
気付いてくれる人、待ってたよ…ボソリと声が聞こえた
第5話『公園の水辺』
散歩の途中、しゃがんで水辺を覗いている男がいた。何かあるのかと尋ねると男はこっちを見ずに手で払ってきた。
次の日同じ場所を通りかかったので気になり覗き込んでみた。
一瞬水の中に老婆の顔が見え驚いていると、後ろから声を掛けられた。
そこ危ないよ、昨日もそこで人が亡くなってるから。
第6話『生霊?』
元彼が私の生霊に悩まされているという風の噂を聞いた。毎晩現れ睨みつけて来るという。
確かに私は浮気された挙句に捨てられた。でも今は結婚して幸せな家庭を築いているし彼に未練はない。ならなぜ?
双子の姉に相談してみるか。最近連絡取れないから母も心配してたし、今から行ってみよう。
作者コオリノ
http://kowabana.jp/stories/31409→呟怖その一
はい、呟怖ってすぐ溜まっちゃうんですよね……というわけで消化投稿です。。。
解説
4話、気配について。これは主人公が霊的な何かに気づいてしまった為に、その何かが主人公についてきちゃったというお話。気づかずにいれば、何事も起こらなかったのかも。
五話、公園の水辺について。初日に水辺を覗いていた男性は、返事を返さず手を払っていましたが、これは払っていたのではなく、声が出せず思わず手を主人公に向け助けを求めたものでした。
その手を掴んであげていれば……。
六話、生霊?について。元彼の浮気相手は双子の姉でした。つまり妹の生霊ななどではなく、姉の霊ということになります。
姉は恨んでいる様子、おそらくこの元彼に捨てられたのでしょう。姉の家に向かった妹が、もうすぐ姉の変わり果てた姿と……。
以上、解説が必要に思われるものだけピックアップ致しました。
仕事の休憩時間などにちょちょいとどうですか?ついでに怖ポチなんか押してもいいんですよええ、遠慮はいりません……あ、やっぱり遠慮しちゃだめ!
ではまた~(続編執筆頑張ります……でも反省はしていない)