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これは、私が見た夢の話です。
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気が付くとそこは見覚えがある道で私は自転車に乗っていました。
空は快晴で、夏真っ盛りといった感じでした。
『あれ・・・なんで、こんなとこいるんだろう?』
自転車をこぎながらわたしは不思議に思い、あたりを見渡しました。
周りは田んぼしかなく、正面には山に上っていく道が続いていました。
『どこかで見た道なんだよなぁ・・・、どこだっけ?」
私はこの道がどこかにいくためによく使っていたことをなんとなく分かっていました。
しかし、肝心のどこかが思い出せませんでした。
思い出せないもどかしさを感じながら、私は自転車をこぎ、道を真っ直ぐ進んでいきました。
周りの風景が木々に覆われ、道がくねくねとした上りに変わり始めたとき
私はふとここがどこに行く道かがわかりました。
『あ・・・そっか。ここは、じいちゃんの墓があるところに続いている道だ!』
それに気がついたとき、この先の道がどんなふうになっているか、どこに続いているのかはっきりと頭に浮かんできました。
このくねくね道を上っていくと、頂上に茶畑があって、その中に風力発電のプロペラが回っているところがある。
そこを通り過ぎて、下っていくと途中で霊園の入り口が見えてくる。
それがわかったとき、さっきまであったもどかしさが消えすっきりとした。
そして、このまま墓参りをしていこうと思いつき道を上っていくことを決めた。
それからしばらくして、道が平坦になり始め、茶畑が目の前に広がってきた。
『もう少ししたら下りか』
茶畑の間を通り過ぎていき、また木々に挟まれる道が見えてきた。
そこからは、上ってきた道よりも道幅が狭くなっていて、軽自動車が一台やっと通れるかくらいしかない。
ただ、ここは車通りがないにも等しい場所なのでそんな幅のことなど考えたこともありませんでした。
私は、下り道を一気に下っていった。
日光が木々にさえぎられいい感じに薄暗くなった道を心地がいい風をうけながら快調に進んでいた。
『そろそろS字カーブがきて、そこをこえて百メートルもしたら着くよな』
そう思っていると、前の方におじさんが二人歩いているのが見えた。
そのおじさんたちは、道をふさぐように広がりながら歩いていました。
私は、ブレーキをかけスピードを落とし、おじさんたちの様子を後ろから見ていました。
『じゃまだな・・・、後ろから声をかけてどいてもらおうかな』
そう思った私は、おじさんたちに近づこうとしました。
しかし、なにか嫌な感じがしました。
あの二人に話しかけてはいけない、そんな気がしたのです。
私は、仕方なくS字をぬけ少し広がったところで二人を抜くことにしました。
S字も終わり、いよいよというところで私はブレーキを外し、ペダルをこぎ始めました。
スピードがどんどん上がりおじさん二人を一気に抜き去りました。
抜き去る瞬間、二人がこちらを見ていた気がしました。
しかし、抜き去ってしまってからでは自転車のましてや下りのこのスピードについてこれるはずがありません。
私はほっとしました。
shake
・・・ダッ・・ダッ・・・ダッ・・・
後ろから何か音が聞こえました。
バッと振り返ると、先ほど抜いたおじさんの一人が走り出し、ものすごい勢いで下ってきているのが目にはいりました。
『やばい! やばい! やばい!』
私は焦りながら前を向き直し、踏み込むペダルに精一杯の力を込めました。
shake
ダッ・・・ダッダッ・・・ダッダッ・・・
どんどん音が近づいてくる。
必死になってこぎました。
shake
ダッダッ・・・ダッダッダッ・・・ダッダッダッダ・・・
音が大きくなってくる。
『なんで! どうして!』
私は困惑しながらも後ろを振り返るかどうか悩んでいました。
『いや、後ろを振り向いたらダメだ。絶対にダメだ』
shake
ダッダッダッダッ・・ダッダッダッダッダッダッ
もう音は私のすぐ後ろから聞こえてきていました。
『まずい。まずい、まずい、まずい、まずいまずいまずいまずい』
後ろを振り向かないように前だけを見つめていました。
すると前に見覚えのある門が見えてきて、そこがじいちゃんの墓があるところだとすぐにわかりました。
「ああ!助かった!」
そう私がつぶやくと、襟足のあたりに生暖かい風がふっとあたりました。
「え?」
振り向くと、そこには目を見開き私をみている男の顔がありました。
「わあああああああああああ」
私は悲鳴をあげ、そこで目が覚めました。
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私はベットの上にいました。
普通いつもだったら
「ああ、怖い夢だったな」となるはずでした。
しかし、目が覚めた私は驚きのあまり声が出ませんでした。
なぜか・・・それは・・・
わたしの目の前には、人の顔のような影がはっきりと浮かび上がっていましたから
作者しりきれないトンボ
私が見た夢の話です。
未だになんでこんな夢をみたのか謎なんです。
驚きの限界が超えると叫ぶこともできないんだなということを知りました。