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短編2
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通話中の男性と後日談

 これはつい先日経験したお話しです。

私が住んでいるアパートは空室が多く、部屋数もあまりない、こじんまりとしたアパートです。

仕事の都合上、帰宅するのがいつも深夜0時を超えてしまうので、余計に人気の無さを感じてしまいます。

この日もいつものようにエレベーターに乗って、自分の住む部屋の階まであがった時でした。

エレベーターを降りて、自分の部屋(1番奥の角部屋)に向かって歩いていると、真後ろから男の人の話す声が聞こえてきました。

(誰か電話しているのかな……?)

そう思いながら、自分の住む部屋のお隣さんのところを通り越しました。

もうすぐ自分の部屋につくというのに、真後ろでまだ男性の話し声がします。

(あれ?)

勘違いかもしれない、それでも私は怖くなって慌てて自分の部屋に飛び込みました。

というのも、私の住む部屋のお隣さんは誰も住んでいない空室だということ、そして、このフロアに住んでいる男性と、後ろから聞こえてくる男性とでは声が違う事に気づいてしまい、恐怖を覚えたんです。

……一体あの声は誰なのか。

部屋に飛び込んだものの、怖いものみたさというか、確認も兼ねて(もしかしたらこのフロアに住んでいる男性だったかもしれませんし)、ドアを開けて廊下を覗いてみました。

不思議なことに、誰もそこには居らず、部屋に入ってからそんなに時間も立っていないのに(それこそ1分もかかっていないかも)狐に摘まれたような気分になりました。

あの後ろから聞こえてきた声は誰だったのか……

不思議に思いながらも、不気味さを感じ、こういう出来事があったと、同居している妹に伝えたのです。

不審者かもしれませんし、用心するにこしたことはないので。

その翌日。

私が真夜中に帰宅して少し立ってからのことです。

――ガチャガチャ

誰かがドアノブを回したんです。

鍵を締めていたので、ドアが開くことはありませんでしたが、もしかしたら妹が帰宅したのかもしれないと思い、ドアを開けた時でした。

ドアから少し離れたところに、見知らぬ男性が立っていたのです。

びっくりし過ぎて声を上げることも、ドアを閉めることも出来ず、立ち尽くす私をみて、その男性は走り去って行きました。

あの男性はただの部屋間違いだったのでしょうか。

前日の件もあり、気味悪さが拭えません……。

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