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短編2
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食人鬼

私はある都市伝説の調査のためにとある村まで行ってきました。

なんでも、村では食人鬼が現れて、村人を食い殺してしまうというのです。

私は、車で2時間揺られながらその村へ行きました。

何やら怪しげな森があったので、恐る恐る入って調査をしていると、後ろから

「助けて!!」

と声が聞こえてきました。

振り返ると、10歳に満たないくらいの女の子が息を切らしながら立っていました。

「どうしたの?もしかして、迷子?」

と声をかけると、女の子は

「助けて!!今、斧を持った仮面の大男に追いかけられてるの!!私、あいつに捕まったら殺されちゃう!!お願い、私を村まで送り届けて!!」

と必死そうに訴えてきました。

大男...そいつが、都市伝説の鬼だろうか。

そんなことを考えながら、とりあえず女の子を車に乗せて村まで向かいました。

村の近くまで送り届けると、女の子は

「助けてくれてありがとう。」

と言って村の方へ走っていきました。

それから小一時間、私は鬼の調査のために村を離れて辺りを散策していました。

すると、村人と思われる人たちが一斉に村の方角から逃げてきました。

20代くらいの女性がこちらに気が付き、私に向かって叫びました。

「なにしてるんですか!早く逃げてください!!鬼が村の近辺で暴れているんですよ!!」

私は状況が呑み込めず、女性に尋ねました。

「一体何が起こっているんです?すみません、私はこの村の出身ではないので...。私の車があります、宜しければ逃げながら詳しくお話を伺っても?」

女性は私と一緒に車に乗り込みました。

村とは反対方向に崖を走っていると、正面からいきなり斧を持った仮面の大男が現れました。

「うわあああああああ!!?」

私は驚いた拍子に間違えてアクセルを踏んでしまい、大男にぶつかりました。

ドンッ

鈍い音が響き、ぶつかった衝撃で大男は吹っ飛び、崖から落ちました。

車を停車させ、恐る恐る降りて見てみると、そこにはもう大男はいませんでした。

恐怖で震えながらも、私は胸を撫でおろしました。

「うう...。」

車の中から女性が頭を押さえて出てきました。

「ごめんなさい...頭を打って気を失っていたみたいです...。どうしたんですか...?鬼は...?」

私は女性を落ち着かせ、言いました。

「安心してください。もう村を脅かす鬼は死にました。...全く、あんな斧と仮面でビビらせるから...ただでさえガタイのいい男が夜道を歩いてたら怖いっていうのに...あの鬼もバカでしたね。」

それを聞いた女性は、青ざめた表情で私に詰め寄りました。

「あなた、なんてことをしてくれたんですか!!その人は、村を鬼から守って下さる、村で唯一の神官様だったんですよ!?神官様を失った今、この村はもう...。」

Concrete
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