私は、深夜シャンプーをするたびに恐怖を感じることがある。
狭い空間、水の音、そして目を閉じている時間がとても怖い。
何かにじっと見つめられているような気がするからだ…
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見つめられていることを全身で感じながら、それでもシャンプーをする。
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浴室でシャンプーをする私の真後ろには、得体の知れない何かがいて、
私が目を開くと同時に消え去る。
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深夜のシャンプーは絶対にしたくない、絶対にしない、そう決めていたのに…
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焼肉屋さんで送別会なんてありえない、帰っても頭は洗いたくない。
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結局、終電を過ぎタクシーで帰ったのはもう午前2時、私は浴室で髪の毛を洗う。
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目をつぶったまま、シャンプーをシャワーで洗い流しながら
「もうやめて、見ないでよ!」
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返事が返ってこないのは分かっていた、でも、大声で叫んでみた。
「見るな~!」
「……………」
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もちろん返事はない。ちょっとスッキリした、今日は怖くない。
すっかりシャンプーを洗い流し、鏡を見る。
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shake
「みるなぁーーーーーーーーー!」
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鏡の中で、痩せこけた女が大声で叫んでいた!
作者NIGHTMARE