【重要なお知らせ】「怖話」サービス終了のご案内

中編5
  • 表示切替
  • 使い方

廃旅館での肝試し

家系柄、霊感の強い私が18歳で15年前ぐらいに体験した話です。

地元を離れ進学するために近畿地方の大都市に住み生活や学校にも慣れ、友達と遊ぶ余裕がで来てきた夏のことでした。

1人の友達、仮にAとしますが自身の車も持っており私含めた仲の良い友達4人の計5人で肝試しに行こうかって話になりました。

その場所は住んでる場所から数十キロ離れた山奥にある廃旅館でその県では有名な心霊スポットらしく、満場一致で行こう!となり夜22時ごろから車を走らせ現地へ向かいました。

場所柄、山奥にある旅館かつ廃れた町のはずれにあるため山道と山林をぐるぐる回りようやく廃旅館と思われる建物に着いたのは夜中の1時ごろ。

闇夜とヘッドライトに照らされた建物は不気味さを感じ意気揚々としていた僕ら5人が一斉に黙ったのを覚えてます。

見回して見ると、山肌に沿って建てられた旅館はかなり大きく、不法侵入されないように工事用のバリーケードで囲まれ肝試しに来た若者が多い場所なんだなと感じました。

侵入できる場所は無いかと探してるとバリケードを張る必要を感じなかったのか旅館の壁側にバリケードは無く、そこの一角に人1人がしゃがむと入れそうな穴を見つけ覗いてみると室内に繋がってました。

メンバーは僕以外の運転手AとB.C.Dとします。

ただ5人で入っても楽しくないのでジャンケンで2グループに別れようとなり僕、A、B、3人とC、Dの2グループに決まったものの、CとDは自他共に認めるほどのビビリで入るのを拒み、渋り、逆ギレし結局僕ら3人だけが入る事になりました。

建物に侵入できる横穴を3人通り終え暗闇の中、しばし見回し目が慣れたところで真っ直ぐ走った廊下の一角に出る

場所だと分かりました。

建物に入りようやく興奮が覚めてきた頃、山肌に沿い朽ち果てた建物に湿った匂いとカビ臭さと異様な暗闇の中、行き当たりばったりで肝試しに来た僕らは懐中電灯すら用意してないことに気づき後悔しました。

その時友人Aが携帯の灯りで行こうかと提案し僕、Bも賛同しポケットから携帯を取り出し歩き出しました。

3・40メートル続くまっすぐ廊下を進むと左手に上への階段と直進すると露天風呂ですと書いた古びた看板をみつけました。

3人で話し2階から散策という話しになり階段を上がると1階と同じく長い廊下に沿うように二会場程の宴会場の様な場所に出ました。

左手に進むと宴会場に沿った廊下、右手に進むと僕らが侵入した壁側に向けていく感じとなるのですが奥に扉のようなものが見えBが見てくるといい進むと非常口と書いてるよって声がしました。声につられ扉側に行くと扉は鍵がかかっておらず開けるとコンクリート製の屋根の上部に寂れた非常階段のある小さな踊り場に出れ下を覗くとAの車と外で2人寄り添ったC、Dがみえました。

僕らはからかってやろうと薄気味悪い少し響くうめき声の様な声を発し2人を怖がらせて遊んでました。

2人は周りを見渡し僕らに気づくとキレながら文句を叫んでその様子を見て3人とも笑いました。周りを見渡すと、その非常口は建物から少し飛び出した作りになっているせいか廃旅館のある程度の形と中庭にある池のようなものが見え怖さのせいなのか今まで気付かなかったウシガエルの鳴き声が聞こえてきました。

気持ち悪い鳴き声を背に室内に戻り廊下を歩き出すと、まず僕が不思議な音の様な耳鳴りの様なものに気づきます。

今の若い子は知らないかと思いますが、昔の携帯では各キャリアごとに電話を掛けると呼び出し音が鳴る前のワンクッション別の音がなります。

例えば、今のSoftBankでも電話をかけるとププププププ、プルルーみたいな感じて誰かに電話をかけると各社始まりの音が異なるので何社の携帯を使ってるのがわかる仕様でした。

僕の使ってるキャリアがプーーーーと一定音がなり呼び出し音がなるキャリアで、その音が普段から耳鳴りにも聞こえるなと思っていたため室内に響く音なのか耳鳴りなのか分からず歩いていると、Bが変な音聞こえへん?と聞いてきました。

僕もそこで耳鳴りじゃないんだと気づき、携帯の音だよな?と2人に返しました。

その会話をもとにAは携帯を灯りに使ってるから誰かスピーカーで間違えて電話かけてへん?って聞き返してきたので3人とも携帯を確認すれども誤操作等はありません。

それでも音は止まず、なんやろなとその音に耳を傾けながら長い廊下を進みました。

少し進むと右側は宴会場、左は窓が続く場所に出て、ガラスの無くなった窓からむき出しの山肌と草木が入り混じった光景かがみえました。

深夜の山奥ほど気持ち悪いなと思った矢先、気づくと先ほどの電話音は止み、3人は空耳やなと話しました。

しかし、数秒後に今度は山肌側から同じ音が響いてきました。

気持ち悪いなぁと感じながらもその事には触れずに、

探索を進め宴会場内に入ると畳が腐っており、床が抜け落ちないか用心しながら宴会場窓から中庭が一望できかなりは広い庭園と池があるということが分かり昔は人気のあった旅館なのかなと想像してました。

しかし相変わらずウシガエルの鳴き声が不気味な空間を作り出します。

Aがこの声が変な音に聞こえてるんやなと言いBもそうやなと怖さを紛らわすためなのかすぐさま答えます。

一通り探索を終え1階の露天風呂を見て帰ろうかと廊下に出るとまたあの音に気づきました。

ここまでくると誰も音には触れず、いや怖かったから誰も触れなかったのか談笑で気を紛らわしていると、ふと音がピタッっと止みました。

そこで何故か僕があっ!止んだと声に出してしまい、2人もそやなと顔を見合わせました。その瞬間でした。建物内に、電話の切れる音「プープープー」が鳴り響きました。

各々がやべえと叫び走り出した時にふと宴会場を見ると、幾人かの立ちつくす人影と何かを両手で転がす様な仕草を取る人影が見えました。

霊感のある僕としては直感的にやばい事になったと感じA,Bを先に走らせるよう形で後ろを守り走りました。

階段を降りても多数の人影があり3人とも最後は声にならぬ叫び声をあげて走り外に出ました。

外に出ると顔面蒼白な僕らを見てC.Dは震え何があったんだ?と聞いても僕らは答えられず逃げるように車を走らせました。

後日、この日の話をみんなで話した時にA.Bは電話のかかる音「プルループルルー」が聞こえたので叫んで逃げたんだと言いました。

僕には聞こえないかかる音、聞こえた切れる音とあの人影はなんだったのでしょうか。

その廃旅館は有名な心霊スポットサイトにも載っておりますが現在は建て壊されているそうです。

駄文をお読みいただきありがとうございます。

Concrete
コメント怖い
1
3
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ
表示
ネタバレ注意
返信