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短編2
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ミズシマ様

『水島様』

小学校5年生のT君は幼馴染のKちゃんと家族で山にキャンプに行っていた

そこは地元でも有名なキャンプ場でその日もたくさんの家族が来ていた

T君とKちゃんがキャンプ場の近くの川で遊んでいると小さなわき道を見つけた

わき道は狭く人一人が通れる程度の小さなわき道だ

好奇心からでわき道に入ると木々が生い茂り道はどんどん暗くなっていった

K「こわいよ。もう帰ろう」

T君はKちゃんが止めても進み続け、Kちゃんもだいぶ進んでしまっていたため怖くてひき返せなかった

しばらく進むと小さな井戸があった

井戸には蓋がついていたがほとんど外れていた

もっと近づいてみると井戸は苔まみれで蓋は朽ちかけてた

T君が井戸の中を覗き込むと

「きたきたきたきたきた」

女のかすれた声が聞こえてきた

二人はぎょっと青ざめ猛ダッシュで道を戻っていった

川まで戻り後ろを振り返るとわき道は消えていた

T君がさらに青ざめていると

「・き・・・た・・き・・き・・た」

Kちゃんが真っ黒に染まった瞳で

「きたきたきたきたきたきたきたきたきたきた」

うつろな瞳でKちゃんが「きたきた」と言っている

T君が怖くてその場でずっと動けないでいると

「なにをしたぁ」

と低く怒鳴りつける声が聞こえてきた

慌てて声のほうを見ると山のふもとの寺の住職が鬼のような顔でこちらの走ってきた

T君が住職に起こったことを話すと住職が青ざめた顔で

「ミズシマ様だ」

住職曰くミズシマ様はこのあたりの守り神であり気に入った子供に取り付き取り付かれた人は延々とおかしなことを言い続けミズノコと呼ばれる妖怪になってしまうのだという

しばらくして二人の家族が川にやってき事情を説明すると

Kちゃんのお父さん(以後Aさん)が

「住職さんはどこだい。それとKちゃんってだれのことだい」

と意味不明なことを言い出し周りを見るとKちゃんも住職もいなくなっていた

翌年

T君は家族とお父さんの友人のAさんの家族とキャンプに来た

T君がキャンプの近くの川で遊んでいると暗いわき道があった

興味本位で中に入ると遠くから女の子の声が聞こえてきた

「きたきたきた」

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