まだ私が小学生だったころの話です。
その団地は七階建てでエレベーターがついており、私の住んでいる階は三階なのですが、その時の気分で階段だったりエレベーターを使ったりしていました。
ある日、学校からの帰り、なんとなくエレベーターの気分だった私はいつものように三階のボタンを押しました。
中々人の多い団地なので他の住人や来客者と乗り合わることも勿論あり、その時もそうでした。
二十代ぐらいの細身の本当に普通の男性。
「何階ですか?」
先に乗った私は自分の階を押した後、男性に聞きました。
すると男性は
「僕もそこですから」
と。
自分の住んでいる階では見たことの無い人だったので私は来客者なんだと深く考えることもなく
「そうですか」
と答えた思います。
沈黙の中エレベーターは三階に付き、私が降りた瞬間でした。
お尻から背中を撫でられたのです。
びっくりした私が振り向くと閉まっていくエレベーター。
男性の顔などは見えませんでした。
今思えば見なくて良かったですが。
そしてエレベーターは四階で止まったのです。
急に怖くなった私は走って家に帰ると母に今の出来事をまくし立てるように話のを覚えています。
その後、その男性に会うこともなく私は引っ越したのですが、しばらく私はエレベーターに一人では乗れなくなりました。
今も出来るだけ乗りません。
作者眞由美
実話なんです...