修学旅行で 肝試しが行われた。
メンバーは 男子2人女子2人の計4人ずつ。
割り振りはくじで行われた。
クラスの人数は32人。
メンバーは 仲の良い高野に 少し気になる女子の合川さん
そして クラスで浮いてる女子の天野だった。
肝試しの場所は 本物の墓地。
本物の霊を見ても可笑しくも無い場所。
俺たちは順番待ちをしている時もドキドキしていた。
そして ついに順番がやって来た。
元々 怖いものが苦手な俺は 先頭を高野に任し、
高野の後ろに 俺と合川さん。
俺の後ろに天野がいた。
しばらく歩いていると 墓地が見えた。
ここに入るのかよ~
と 俺たちは足を止めた。
墓地には かなり気味の悪い霧が立ち、
静寂に包まれた 森の中にあった。
意を決して みんなで足を進める。
墓地の中に入った。
こんな場所に仕掛け人がいるのかよ と思うくらい怖かった。
が、 進んでいると 明らかに笑いを狙ったような霊や、
変装した先生が出てきた。
怖いと言うよりも面白かったので、気が付いた頃には緊張感も和らぎ、
墓地の中も少しは慣れてきた。
しばらくすると、
ようやく墓地の出口が見えてきた。
「あんまり怖くなかったな~」
笑いながら言い、俺の顔を見た高野は突然。
「うぁぁぁああああ!!!!」
俺たちをおいて 叫びながら一人で逃げる。
俺たちも 訳も分からずに 高野の後を追う。
ここで 走りながら 後ろを見たのか、合川さんが俺に
「やばい!後ろっ」
それを聞いた 俺と天野は 反射的に後ろを見た。
一瞬しか振り返ってないので 〝それ〟を確認することが出来なかった。
ひたすら走っていると、
ゴール付近に息を切らし、しゃがみ込んでいる 高野が見えた。
高野の周りには 既にゴールしたクラスメイトが高野の周りに集まっていた。
俺たちが お~い!と手を振ると
高野も その場にいたクラスメイトも悲鳴を上げ逃げ出した。
何で逃げるんだよ!
そう口にしたかった俺だが、
疲れに圧倒され、声が出なかった。
足を止め、休憩しようにも 後ろから迫ってくる〝それ〟が怖く、
俺と合川さんと天野は 息を切らしながらも必死に逃げる。
訳も分からない道を走っていると 俺たちの宿舎が見えてきた。
先に逃げるみんなが宿舎の中に入る。
宿舎の入り口のドアを高野がしめようとする。
「待って!待ってよ!」
泣きながら合川が叫ぶ。
「早くしろ!やばい!」
高野が今にも閉めようとする体勢で 俺たちに叫ぶ。
何とか 俺たちは宿舎の中へ入った。
急いでドアを閉める 高野。
その場にいた みんながホッとした。
ここで 俺は 高野に問う。
「何で逃げてたの!? マジ焦ったわ~ 」
高野が俺に怒鳴り返してきた。
「お前気付かなかったの!?」
頷く俺。
ここで 宿舎に待機していた担任の先生が慌てて走ってきた。
「お前らに何があったかは後でじっくり聞く。
グループのメンバーはちゃんと揃っているのか?」
先生が言うと、
高野が俺たちを見る。
「ちゃんとみんないます・・・」
疲れた声で 高野が答えた。
辺りを見た俺。
ここで あることに気が付いた。
「あれ、天野は!?」
俺が口にすると その場にいた みんなが顔を真っ白にした。
「お前 何いってんの・・」
震えながら 高野が言い返してきた。
「天野は 一昨日 飛び降りたじゃねぇか!」
「死んだはずなのに・・・笑いながら追いかけてきたから逃げてたんだよ!俺たちは!」
俺はその事実を告白された昨日、丁度学校を休んでいた。
作者首狩り族
友達から聞いた話なので登場人物の名前は適当っす