10年前の話、当時勤労学生だった私は実家から近い総合病院の給食の盛りつけのアルバイトをしていた。
朝一番に着く私の最初の仕事は3階、4階の患者さんの点滴を配ること。
とは言っても点滴のパックを給湯室に置いてくるだけなのだがw
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その日も4階次に3階と置いて3階から給食室に戻ろうとエレベーターに向かう最中
「おぎゃあおぎゃあおぎゃあ」
どこからか赤ちゃんの泣き声が聞こえた。
何故かそれが今生まれたと感じ、私もこの病院で生まれたんだよなとかおめでたいなとか考えながら3階を後にした。
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自宅に帰って、母親にその話をした。
「今あの病院、産婦人科やってないよ」
作者篠塚 朔