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中編5
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俺には見えない・・・・

タイトルで示した様に、この話のオチは『俺には見えない・・・・』です。今から17年位前の出来事です。

兵庫県の加西市に一乗寺と言う水子供養のお寺が在ります。そのお寺は山の上に在って、ふもとから階段を登る、地元では有名な心霊スポットの場所です。

高校3年の就職組で勉強もすることもなく、卒業を待つだけの時間に余裕が有り。

仲の良い友達と毎晩の様に、遊びほけていた時、俺(T)が車の免許を取っていて

『今日はスリリングな夜を味わいたい!肝試しに行こう!』と友達3人を誘い、一乗寺に行く事になりました。

その時、僕がバイトをしていて、バイトが終わり晩御飯を食べてスグサマ遊びに行ったので時間は23時位だった思います。

助手席はH君、後部座席の2人はM君とS君です。

道中迷い、深夜0時30分には一乗寺のふもとに着いたと思います。

ふもとの広場に車を止め、やっぱり怖いので足がスクンデいた時、一台の車と2台の単車(ヤンキーが乗る様な)が有るのに気づきました。

H「先客が居るで」

S「女の子も居るで、山の頂上付近でキャーキャー聞こえるわ」

M「ヤンキーでも怖がるねんな!?男もキャーキャー言ってるで」

俺「どうする?俺達だけやったら怖いから一緒に後を付いて、怖さ紛らわすか?」

H「そうしよう」

俺「急ごう!」早足になりました。

一乗寺は夜間侵入者を防ぐ為、いたる所にサーチライトをしかけて有りました。懐中電灯も持たず来た俺たちには都合が良かった。

階段の中腹には3つ4つ小さなお寺が有りましたが、目もくれず、ヤンキー達に合流したかったので早足で階段を登っていました。

頂上ではまだ、ヤンキー達の声が

『見てん、(お)地蔵(さん)ぎょうさん、並んでて気持ち悪いわ』など、

(ぎょうさん=たくさん・播州弁)お地蔵さんも略すとコッチが祟られそうで付けてます。

俺達が頂上付近に辿り着いた時は、ヤンキー達は堪能したのか『そろそろ降りよう』と、山を下る準備をしていました。

Hがヤンキー達に「怖い箇所有りましたか?」

ヤンキーの女子『もうチョット上の方、(お)地蔵(さん)1体、頭無いのが有るで』

『あと、コケぎょうさん生えてるから、コケルで』

『気つけや!』など

俺達「ありがとうございます」って、返して、見送っていました。

ヤンキー達の姿が見えなくなった時

S「25才位の、おっさん、おばはんやん」

M「え~歳してヤン車で暴走すなよ!」って、ケナシテ笑った記憶が有ります。

H「どれどれ?おばはんの言ってた、お地蔵さんどれや!?」って探していたのですが・・・見当たらず、確かにお地蔵さんは、たくさん有るのですが・・・・

もう、その頃には、先客のヤンキーにも、触れ合えたし、怖さや緊張感が無かった。

結構な時間、頂上付近で頭の無いお地蔵さん探し

たのですが見当たらず、降りようと考えていた時・・・

下の方から『ブオン、ブオン、ブオン、ブオン・・・』とヤンキー達が、ふもとに着いて、単車のエンジンをフカシッテいる音が聞こえた。

俺「しらけた、スリリングな気持ちにならん、もう降りよう」

H「そやな、もう怖く無いし、早足で階段登って足だるいから、すっくり降りよ」っと、山を降りる事にした。

登る時に見過ごした、3・4個の小さなお寺も見ながら降りて行ったのですが・・・相変わらずヤンキーの単車が『ブオン、ブオン、ブオン、ブオン・・・』

Sが「祟られるぞ!罰あたりが!」

今考えると充分、俺達も罰当たりな事してるし、スリリングを味わいたいが為に水子供養の寺を夜中に散策してるし。

もうすぐ、ふもとって気が、ゆるんだ時・・・・・

女の声で『キャーーーー』って下のふもとから聞こえた。男の声で『うわー』『やばい、逃げろ』って声もしてきた。

俺達内心『近所の苦情で警察が来たな』って思っていました。

M「だいぶん長い間バイクでフカシテたから、警察も、そら来るわ!」

S「ほら罰当たったわ」

俺達がふもとに着いた時、単車が一台エンジンが掛かったまま倒れていたのに目に付いた。

H「逃げるのに、相当必死やったみたいやな!?単車捨てて逃げたみたいやな」

S「罰当たったんや」

M「せっかくやから、ちょっと単車乗る?」

俺「そやな、警察ちょっとの間、来ないやろうから乗るか」って、俺が単車を触ろうと単車に近づいた時・・・

SがMにゴソゴソと耳打ちしてるのにも目に入った。

すぐしてMの顔がコワバッテきた。怯えている感じだった。

俺は、お構いないに単車に触ろうとした瞬間・・・

Hが「T!帰るぞ!!」と大きな声で怒鳴った。

Mが「ちょっと、やばいって!」と怯えながら、震える足で、ゆっくり、ゆっくり俺の車に戻ろうとしていた。

Sが「T!車の鍵出してすぐ車のエンジン掛ける様にしとけ」「車戻るぞ!!」

俺はわけが分からず、でも友達の顔がコワバッテ、尋常で無い事は察したので、急いで車の鍵を開け飛び乗った。

S「早くエンジン掛けろ」

M「早く掛けろって」

皆から急かされているんだけど・・・俺も車の免許取立てで、夜中で車内真っ暗で、鍵が鍵穴になかなか入らない。

モタモタ・・・皆が気が狂いだして・・・『早く!!』『早く!!車出してくれ!!』

それでも、モタモタ・・・そんな中、

Mが「やばい!コッチ来た!!」

Sも、うしろを振り返り「T!すぐそこ居るネン!!早く車出せ!!」

尋常では無いほど皆が焦って、気が動転していた。そんな中やっと鍵穴に鍵が入りエンジンを掛け急発進させる事が出来た。

M「やばかったって!T!単車がこけていた、すぐ横の電話ボックスに人が居ったん気付かんかった?」

H「人では無い」

Sは、後ろを気にして、ず~っと後ろを見ている。

俺「全然見えへんかったで!」「どんな人?」

H「透けている女の人」

M「車乗った瞬間、追わえて来たん、かなり焦ってわ」

Sは、まだ気が動転してて黙り込んでいる。

俺「見えへんって、逆に怖いヤン」

H「単車に触ろうとしたからTが一番近くにまでいたんやで!」

俺「怖すぎるやん、電話ボックスもチャンと見たけど・・・そんな人居らんかったし」

Sの気も落ち着いたのか「多分あのヤンキーの人も、あの女の人見て逃げたんやで・・・」

おしまい。

どうでした?俺的にあんまり怖くない本当の出来事でしたけど。ヤンキーの人も見ていたのなら、何故、俺だけ見てないのでしょうか?不思議で成りません。

それ以来友達3人はこの話をしたがりません、見えてるからね!!??

俺も友達3人もイッタッテ健康です。

でわ!

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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