札幌市に住む若い男女が退屈しのぎに
夜のドライブに出掛けていました
セダンの乗用車に
運転手の男の子
助手席に女の子
後部座席に男女1名づつの4人
札幌から夜中にドライブする時の定番は
肝試し的に心霊スポットである
支笏湖沿いを走るという事になり
南区常磐からポロピナイ峠を越え
支笏湖湖畔を走る道路へと出た
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すると急に
助手席の女の子が
シクシク
シクシク
と泣き出したのだ
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運転手の男の子は左手にある
細長い湖畔の駐車場に車を停め
「どうしたの?」
「なんで泣いているの?」
と聞いてみたが
女の子は首を振るだけで答えてくれない
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後ろの2人も加わり
どうして泣いているのか理由を教えてよ
と食い下がると
女の子は
「言わない」
「なんで?」
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「言うとみんな逃げちゃうから…」
と言い出した
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「絶対に逃げないから
なんで泣いているか教えてよ」
と言うと
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女の子は
「本当に逃げない?」
と再度確認してきたので
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3人は口を揃えて
「絶対に逃げないから大丈夫だよ」
と約束した
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すると女の子は
シクシク
シクシク
と泣きながら
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自分の足元を指さすのだ
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shake
ガシッ!!
車の床から二本の青白い腕が
彼女の両足をしっかりと掴んでいるではないか!
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shake
「ぎゃーーーー!」
shake
「うわぁぁぁー!」
shake
「キャーーーー!」
shake
3人は一目散に車から飛び出し
車の後方に走り出したのだ
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「逃げないでー!」
と泣き叫ぶ彼女一人を残して
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100mほど逃げだしてしまったのだろうか
ふと『逃げない』と約束した事を思い出した3人は
恐怖によるパニックと
彼女を置き去りにした罪悪感から
恐る恐ると
車に戻ることにしたのだ
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彼女の姿は無かった
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翌朝
若い女性の水死体が打ち上げられていた
作者蝉丸
昔に聞いた北海道支笏湖の都市伝説です
妙に描写や地理的にリアルな話なので
本当の話かもしれません