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短編2
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毛皮

本当に美しい毛皮を着たいですか? 私が友達から聞いた話です。

とある町にいた風俗店が好きな毛皮商人は、お気に入りの風俗嬢のためにコートを作ってやりたいという願望がありました。

彼は彼女に渡すに値する毛皮を見つけることが出来ませんでした。

彼女のために何とか最高の毛皮を手に入れたい。

その思いから、近所の動物愛好家の集う施設のアライグマを殺して毛皮を入手しました。

最高の毛皮です。

彼は部下に命じてコートの製作に取り掛からせました。

しかし、その毛皮は手にした者の運命を狂わす危険な毛皮でした。

人間の愛情を一身に受けて育ったアライグマです。

それがいきなり殺されたのです。

その毛皮を手にした者はそれの叫びを聞き続けることになります。

コートの製作は進みましたが、作業に取り掛かった人間は皆奇妙な行動をとり始め、終いには謎の死を遂げました。

自らで万力で頭を締め付ける者、まぶたを縫う者、腹を裂いて腸を取り出す者… 皆気味悪がってついにコートを完成させようとする者はいなくなりました。

しかし、毛皮商人は諦めませんでした。

完成間近のコートを業者に頼んで完成させました。

そして風俗嬢に渡す日がきました。

彼女は大喜びです。

毛皮商人は満足しました。

今まで毛皮商人は直接製作に関わってないから呪いを受けてはいませんでした。

しかし、完成してから彼女に渡すまでの間の1日は、彼が所持していました。

彼の中で何かが狂い始めます。

彼は彼女を見ていたら、毛皮のコートが気に入らなくなってきました。

あれ以上の毛皮は… 彼はナイフを取り出しました。

洗面所へと向かいます。

そして鏡を見ながら、自分の肩から腹の下へと…タンクトップの形へと皮膚を切り刻みました。

うめき声をあげますが、手は止めません。

ついに切り終わると、服を脱ぐ様に皮膚を剥がし始めました。

流石に悲鳴をあげます。

風俗嬢はその悲鳴に反応して洗面所へと向かいました。

それよりも先に血まみれの毛皮商人が現れます。

次はこれを着てくれ!彼は自分の脱いだ皮膚を見せつけながら、青白い顔で叫びます。

風俗嬢は悲鳴をあげて逃げました。

しかし彼女は毛皮のコートを身に着けたままです。

この鬼ごっこはあっけなく終わります。

彼女が家を出て道路に飛び出した途端にトラックにひかれてしまい、そのまま毛皮商人も失血で死にました。

それでも美しい毛皮を着たいですか?

怖い話投稿:ホラーテラー カメタンクさん  

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