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短編2
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さっちゃんの憂鬱

さつきちゃんはお母さんと二人暮らし。

お母さんはさつきちゃんを育てるために昼となく夜となく働き通しで満足に遊んであげることもできませんでしたが、さつきちゃんは優しいお母さんが大好きでした。

そんな生活を続けること数年、さつきちゃんも中学生になっていたある日のこと、お母さんはとうとう体を壊し入院してしまいました。

学校や家のことなど、中学生の子供がひとりではなかなか大変でしたが、お母さんが早くよくなるようにと頑張りました。勿論お見舞いも毎日の様に通いました。

ですがその甲斐もなくお母さんの容態は悪化し、さつきちゃんは急いで病院に駆けつけました。

お母さんは最後の力を振り絞り泣きながらさつきちゃんの手を取り、ごめんね、ごめんね、さつきごめんねと繰り返し、最後にお守りを渡して亡くなりました。

そのお守りは生前お母さんがいつも大事に持っていたお守りで、さつきちゃんも肌身はなさず大切にしようと首から下げることにしました。

さつきちゃんには身寄りがなく児童施設での生活が始まったある日のこと、さつきちゃんはふとした弾みに転んでしまい、その拍子にお守りの縛り口からメモの様な紙がちょこっと飛び出しました。

なにか入ってる、なんだろう?何か書いてるのかな?と思い取り出してみると、二つ折りになったメモ紙にうっすらと文字が透けて見え、『さつき』と書いてある様に見えました。

『お母さんからの手紙だ!』

さつきちゃんはそう思い期待に胸を膨らませつつ、急いでメモを開いてみました。

【さつき・・・

死ね】

怖い話投稿:ホラーテラー 富樫源次さん  

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