心霊現象じゃないけど、きっと怖い話。
俺の通う大学はけっこう大きな大学で、理学部が山の上に立地している。
その山全体が大学の私有地だったりするんだけど、まあそれは置いておいて。
で、その理学部のキャンパスに行くには道が二つある。
ひとつは車も通るメインの道路。原付で通う人とかはこの道をつかう。結構事故が多い。
もう一つは山道みたいな感じで、徒歩で登るんだったらこっちの道のほうが断然早い。俺もこの道で毎日登校している。
でもこの山道、いろいろと嫌なポイントがある。
異常に傾斜のある階段、木が低すぎてクモの巣が頭に引っかかるところ、何故か道の外れに放置されている仏壇っぽい置物などなど。
その中でも、今の時期一番嫌なのがかたつむりの大量発生だ。
山道の途中の人工的に段々になってるところのちょうど段差のところに、かたつむりの子供がホンットに大量発生する。
つま先立ちで回避するんだけど、絶対に何匹かは踏んでると思う。
かたつむりの成長したやつは茶色っぽいけど、子供ってまっ白なんだよね。だから歩いてて確認できるんだけど。
まあ毎年のことだし、慣れたと言えば慣れたんだけど。
でも今年は違った。
かたつむりは大量発生してるんだけど、山道に放置されてる木の板の上に密集してんの。
それだけじゃなくて、最初は気のせいだと思ったけど、その木の板の上で整列してんのよ。
読めないけど、文字っぽい。
何匹かは雨で流れてるみたいだけど、かたつむりが整列して、文字を作ってる。
奇妙っていうか気持ち悪い。
それ見たのは俺だけじゃなくて友達も見てるんだけど、やっぱり気持ち悪いって。
で、それを毎朝見てるとさすがに怖くなってくる。
茶色の木の板の上に白いかたつむりの群れが固まって微動だにしない。
これを見つけたのが6月の上旬。
今じゃもうかたつむり大量発生第二弾でいつもどおりの場所に巣くってる。
もしかしたらたまたまかたつむりが木の板の上に卵を産んで、たまたま整列したように見えただけかもしれない。
でもさ。友達と話してて、やっぱり怖いってことが二つある。
ひとつは、これって大学の誰かが木の板に薬品垂らしたんじゃねーのかってこと。
だって白いかたつむりの子供が全部、木の板の上で死んで茶色になってるんだぜ。
死ぬまで動かないって、自然の生き物でそんなことあんのか?
そしてもうひとつ。
あのかたつむりで書かれた文字って、何て書いてあったんだろうってこと。
意味のない言葉だったら何でもねーんだろうけど、もしも不吉な言葉だったらって考えると、ぞくっとする。
かたつむりで書かれた文字。
今はもう雨に流されて、木の板しか残ってないんだよね。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話