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短編2
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写真の女 1

今から10年程前の話しです。

大学の卒業式を目前に控え、仲の良いR子、M美、T太、S介の5人で四国へ旅行に行く事になりました。

まだ寒い時期でしたが、みんな楽しい時間を過ごし、大学生活最後の良い思い出を作る事が出来、帰って来ました。

3日後。

その日僕はパチンコに行く為、駅に向かい歩いていました。

途中、僕の携帯電話に電話が入り出てみると、この間旅行を共にした友達のR子からでした。

何やら話しが有るから学校まで来て欲しいと言う事でした。

学校に着き待ち合わせ場所の図書室に入ると、R子の他にM美、T太、S介も居た事に驚きながらも、一体何があったのかと尋ねると、一枚の写真を手渡されました。

それは、先日の四国旅行で何枚か撮った写真の一つでした。

「なんだ、もう写真出来てたんだ。他のも見せ……」

最後まで言い終えるのを遮られ、

「もっと良く見てよ!」

普段からキツ目に話すR子がより一層迫力を増して言うので、もう一度その写真に目をやりました。

その写真は、K県某浜で地元の方に頼んで、海をバックに5人一緒のところを撮ってもらった写真で、R子、M美がベンチに座り、その後ろに左から僕、T太、S…介…じゃ無い!

なんと、T太とS介の間に見知らぬ女性の横顔が……。

それはあり得ない事でした。何故ならその時僕は、ふざけて隣のT太の頭の後ろに手でパーをする準備をしていて、シャッターが切れる寸前までT太とS介の方を何度も見ていたので、この女性の存在に気が付かないはずは無かったのです。

暫しの沈黙の後、

「なんだか気持ち悪いよ」

と言うM美の言葉に我にかえった僕は、

「たいして気にする事無いよ。もう忘れよ!」

みんなを気遣って言ったつもりでしたが、逆に不安にさせてしまう結果となりつつも、写真を誰もが手元に置いておきたく無いと言う事で、その写真を何枚ものコピー用紙で繰るんで図書室の本棚の本と本の間に挟み、その日は帰る事にしました。

しかし後日、僕達は大変不可解な体験をする事になったのです。

つづく

怖い話投稿:ホラーテラー カシューさん  

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