この話は、Fさんという添乗員さんから聞いたお話です。
OO県 O根の某ホOルでの出来事です。
Fさんがフロントで精算をしていた出来事です。
精算していたフロントの男性が内線をとった瞬間、
血の気が引いたのがFさんにもわかるほどだった。
その男性は無言のまま受話器を置いた。
Fさんは、その男性に
「すみません精算続けて下さい。」
と声をかけた。
しかし、男性は放心状態のように突っ立っていた。
Fさんは疲れていたので早く終わりたかったので、つい大声で
「すみません」
と叫んでしまった。
その男性は、ふと我に返ったように
「すみません」
といって事務所の中へ入っていった。
そして、女性が顔を引きつらせながらお待たせしました。
とFさんの精算を始めた。
それから、4・5分たった時だった。
二人のお客様が凄い勢いで
「上から人が落ちた」
とフロントに飛んできた。
Fさんは
えっ、まさかうちのお客さんと思い、
いつのまにか二人のお客さんに問いかけていた
”何号室の人”そんなやりとりをしていると、
四人くらいのお客さんが
「上から人が・・・」
と叫びながら走って来た。
もう、フロントの前は大騒ぎの状況だったらしい。
そして、七・八人くらいのお客さんが
また叫びながらフロントに飛んできた。
やっぱり人が落ちたという。
その後、その、お客様達のお部屋は
”343号室”
”443号室”
”543号室”
”643号室”
のお客さんだった。
フロントの奧から支配人らしい男性が出てきて
「落ちた人は誰もいません」
と説得していたがお客さん達はこの目で見たと騒いでいた。
支配人はこの声に負けたように
「わかりました、落ちた場所に行ってみますか?」
といって、お客さんを引き連れていった。
Fさんも行きたかったが自分のお客さんが大丈夫か気になり
部屋周りに行くことにした。
Fさんはお客さんの無事を確認して戻ってきた。
フロントは正常業務に戻っていた。
Fさんは、どうしたんですかと聞いたが
誰も落ちていませんと言われ、
そのまま精算をすませ部屋へ行った。
Fさんはお風呂へ入り、
食事をとって部屋へ戻ったがさっきの騒ぎが気になった。
Fさんは先輩の添乗員にメールを送った。
早速返事が返ってきた。
「知り合いの人がそこのホテルで働いているから聞いてみる。」
といった返事だった。
しばらくするとFさんの携帯がなった。
先輩からだった。
八年前にフロントへ
「今から飛び降りて死にます。」
と電話があり、その後、その女性が飛び降りて即死したらしい。
その部屋番号が943号室だった。
今日が飛び降り自殺した日だそうだと。
今日もフロントに943号室から
「今から飛び降りて死にます。」
って電話がきたそうです。
Fさんが始めに精算していた男性が電話を取ったと
Fさんが思ったらしいです。
でも、あんなに沢山のお客さんが目撃しているのに・・・
作者ボーカルン