うちの亡くなった母は霊感があったらしい。
「らしい」と言うのは、私は見えないから母の能力が本物だと断言は出来ないからです。
そんな母から聞いた話。今回は短編をいくつか。
①母が初めて心霊体験をした話
それは母がまだ中学生の時です。帰りが遅くなり、街灯のない道を家へと急いでました。
…シャンシャン…シャンシャン…
どこからか鈴の音が聞こえて来ました。
「何だろう?」と思っていると、遠くから白い物体が鈴の音と共に近付いて来ました。
「何あれ?…ギャー!」
それは首に鈴を付けた、よく神社に奉納されてる神馬?のような馬でした。
その馬は首が途中で切れて無かったそうです。
震える母の前を馬は走り去って行きました。
②母が夜中、金縛りにあい、ふと見ると布団を被った胸の上に10cmぐらいの人が数人歩いていた。
③深夜、ガタガタと部屋が揺れ、置いてある物が空中を舞う。
横で寝てる父と私はぐっすり寝ていて気付かない。
パタパタと廊下を誰かがやって来る。
ガラリと硝子張りの引き戸を開け「ナナちゃん(母)」と母の姉が呼び掛ける。
母の姉は私が産まれるより前に自殺で亡くなってます。
私が小学生になる頃まで、時々話に来ていたらしい。
④職場の慰安旅行で行った温泉。
「いい温泉でしょう?」と話し掛けてきたおばあさんと話してると同僚に「あんた誰と話してるの?」と言われた。
「えっ?じゃあこの人は…」と思ったらそのおばあさん、自分が死んでる事を解ってるって。
「ここが好きだから来てるの」とニコニコ笑っていたそうです。
⑤母が腕を骨折。
手術してボルトで固定する事になり、入院しました。
古くからある地元では有名な病院。
出る出る。
夜中に金縛りにあい、見るとおばあさんが乗ってて「話を聞いてくれ」と言ってきたり、母が見えるからか、夜中に話し掛けてくる霊が沢山いたそうで「早く退院したい(泣)」と言ってました。
怖い話投稿:ホラーテラー 鳴門金時さん
作者怖話