短編1
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民族の違和感

僕の友人のAは顔と髭が濃く、背が低いが鍛えてもいないのに筋肉質だがぽっちゃりで体の肌は赤黒い。

オセアニア系のハーフだと言われても違和感がない見た目をしている。

さながら縄文人が教科書から出てきたような見た目だ。

初対面からハーフ?島出身?とよく聞かれていた彼は

少し戸惑いながらもいつも否定していた。

ある日彼に聞いてみた。

僕「Aはやっぱり遠い所で海外の血が入ってるんじゃないの?」

A「みんなそれ言うけどさ縄文と弥生どっちが昔なんて

小学生でもわかるだろ?俺は古い遺伝子がみんなより

残ってるだけだよ。俺からすれば俺より顔薄いやつに

外国の血が入ってるって言われる方が違和感だよな。」

僕「確かに教科書の縄文顔と弥生顔って全然違うよな。」

A「そうだな。俺は国譲り神話知ってからこの国の歴史は怪しいと思ってるよ。」

僕「どういう事?」

A「人間が歴史の一区切りの境目から急に顔付きが変わる事なんて他の民族からの蹂躙を受けたしか考えれないだろ。それを譲られたなんて争いの勝者が言う事だ。」

僕「じゃあ国譲りの譲った側が縄文系だとしたら他の民族って?」

A「大陸系だろうな」

彼の思想は強かったが確かに鬼や妖怪は古来の朝廷に

逆らった人達を悪者のように描いたものと聞いたことがある。

彼は今も苦しんでいる。現代にいながらも未だに古代の侵略者からの詰りを受けている。

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