どこかで見て、妙に印象に残っている話。
サイパンだったか、沖縄だったか、覚えていないが、あるホテルの一室で、心霊騒動が持ち上がった。
その一室は、ホテルのロビーから一旦外に出て、長い外廊下を渡った所にあり、新たに増築された、まだ出来立ての部屋であった。
支配人が驚いたのは、夜中部屋を飛び出した客が、全く同じセリフを、口走るからであった。
(偶然では決してありえない)、そう判断した支配人は、その部屋に一晩、泊まってみる事にした。
夜中彼は、異様な息苦しさで目を醒ました。全身が金縛りに遭っていて、身動きがとれない。
突然、壁から男が飛び出して来て、ベッドを横切り上を見上げた。
その瞬間、男の身体が粉々になり、内臓が飛び散った。
全身に血と肉片を浴びた支配人は、金縛りが解けると同時に部屋を飛び出した。
そして、他の客と同じセリフを叫んでいた。
「男が、爆発した!」
血まみれになった筈の顔や衣服には、一滴の血もついていなかったという。
そのあたり一帯には、大戦中、多くの爆弾が落とされたらしい。
爆弾をもろに浴びた男は、戦後何十年経った今でも、その一瞬を繰り返しているのだろうか?
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話