短編2
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学校の石像の不思議

 私が通っていた小学校にまつわる話です。

 前置きが長くなりますが、私には霊感はなく、その反動か…霊を見たい、不思議な事を見たいと熱望していました。

 今ではすっかり珍しい木造の校舎が、私が小学二年生の時の学舎でした。

 木造の校舎は二棟あり、棟の間に四角い2メートル四方の池が二つ。池の間は1メートルほど。その1メートルの通路に石像は毎日、超然と立っていました。

 体育の休めの姿勢で、私がよく通る廊下からはお尻の後ろで組んだ手が見える。雨だろうが、風だろうが、石像はちゃっかりしっかり立っていた。

 ある日、石像さんは急にいなくなった。高さにして2メートル以上はある。台座だけでも1メートルはあり、さらにその上に小学4、5年生の男児が立つ石像。

 そんなもんがいきなり消えるか?消えたんです。

人間とは不思議なもので、あるべき物がなくても一瞬、スルーしていました。 飼育当番で、上の学年のお姉さんやお兄さんと登校してきたので、すぐに大騒ぎに。

 とはいえ、みんなが来るにはまだ時間があり、探すことに。

 池のまわりには当然、石像はなく、引きずったような跡もなく、上級生は先生を呼びに行く人と探す人に分かれて、私は池に残りました。

 ゆらゆらとたまにメタンが水面を揺らし、ふと池を覗いてみたものの…青汁よりも濃い緑色は、何も透かして見ることを許しません。

 でも、池に何かいる気がして、教室からホウキを持って来て、その柄で池を探りました。

 すぐに手応えがあり、何かにガツンとぶつかりました。

 先生をつれて、上級生が戻って来たので話すと…池の水を少し掻き出すことになりました。バケツで消火作業のようにリレーして5分ほど。 石像の頭が。

 池は想像以上に深かったこと、石像は四角い池に斜めに、後ろに突き飛ばされたような格好で落ちていました。

 でも、とても人間の技で持ち上げたり、押せる代物ではなく、引き上げ作業には小型とはいえ、クレーン車が引き上げたのだ。

 その話をその当時の私は熱心に話した。不思議でしょ?と熱っぽく。母は鼻で笑いながら、石像も暑かったんでしょ、と言った。霊感のない私の母は、子供の気持ちもわからないとんだKY人間でした。

 私にとっては不思議な話なのですが、ネタと思われがちですので、分類はネタで

怖い話投稿:ホラーテラー ダンタリオンさん  

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