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短編2
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黒い視線

これは僕の母が実際に体験した話です。

当時キャバクラで働いていた母はその日もいつも通り接客をしていました。

そしてだいたい深夜2時を回った頃ぐらいに2人組の客が入ってきました。

その客を母ともう1人の女性で接客することになりました。

最初の方は普通に接客していたのですが、5分ぐらい経つとなにか焦げ臭い臭いがしてきました。

最初は気にしてなかったのですがあまりにも酷くなってきたので、「なんか焦げ臭くない?」と客に聞いてみたのですが、そんなことはないと言われました。

それからというもの、毎日深夜2時になると焦げ臭い臭いがしてくるのです。

そんなある日、深夜2時を回りいつものように焦げ臭い臭いがしてきました。

そしてふと店内を見ると真っ黒に焦げた髪の長い女性が母を睨み付けていました。

普通の人なら悲鳴を上げるか失神して倒れるかなのですが、母は子供の頃から霊感が強く、怖いのは怖いのですが頑張って接客を続けました。

するといつの間にかその女性は居なくなっていました。

この事を店長に報告すると、店長は一瞬で青ざめた顔になり、「そうか....」と強張った表情で話し始めました。

その女性は昔この店で働いていた人でした。

接客はそれほど上手くないのですが、容姿が美人なので彼女はこの店の人気のキャバ嬢でした。

しかし、その事を快く思わない人もいました。

彼女は陰湿ないじめを受けました。

その日着る服が破かれていたり、ありもしない噂を流されたりしました。

それも一回や二回ではなくそのいじめは一年ほど続きました。

とうとう彼女は自殺してしまいました。

それも店の中で灯油をかぶって自分に火を点けました。

幸い多く人がいたので大きな火事にはなりませんでしたが、彼女は助かりませんでした。

時刻は深夜2時ごろ。

その話しを聞いた母は店内に塩を盛り帰りました。

帰り道後ろから気配を感じながらも振り向かずに、御守りを強く握って必死に走って逃げました。

それから10年以上たった今も、家には真っ黒に焦げた御守りがしまってあります。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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