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中編3
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姉だけに見える 番外編

これまで姉が体験したお話をしてきましたが、

今回は中休みで、姉がどのようにして見え聞こえていたのかについて、お話をしたいと思います。

既に記述した通り、当時姉と私は同じ部屋で過ごしていたのですが、私は全く感じることはありませんでした。

その部屋に一人でいようが、姉と一緒だろうが、一度も体験することはなかったのです。

姉が高校生になってからは、私達にそれぞれの部屋を与えられ、姉はその部屋のまま、私が隣の部屋へと移動しました。

高校生になってからは、そう頻繁に遭遇することもなくなり、金縛りに遭っても中学生のときのような強烈な体験はしなくなっていたそうです。

私には見えなくても、やはり毎回報告を受けるとさすがに気味が悪く、姉にどのようにして見えたりしているのか?

私に何かしようとしていたりはないのか?

同じ部屋にいて、なぜ姉だけにわかるのか?

など、聞いてみたのです。

姉が見えるときは、必ず遠くから甲高い金属音(最初はキ〜ンという音で、それが徐々に渦巻くようなファ〜ンファ〜ンという大音響に変わり、近付いてくる)が耳元まできたあとに、金縛りに遭う。

その時には目は閉じたままでいるから、目で見てはいない。

姉いわく

「目と目の間、ちょうど眉間あたりに第三の目がある感じで、瞳を閉じていても、そこから周りが見えている」んだそうで。

例えば話し声は聞こえるにしても、口も開けないのにどうやって会話をしているのかというと、

「頭の中に、言葉が入ってくる(勝手に)ので、私も頭の中で言葉を描くだけ。思ったことがそのまま言葉として発せられる」

みたいです。

ちなみに私に対しては、彼らがとくに何かをすることはなく、視線にしろ向きにしろ全て姉にしか向けられていなかったと言います。

私のすぐ近くに来ることもなく、まるで関係ないかのようにいたので、鈍感?な私がうらやましかったと苦笑していました。

なにしろ、私は姉が声をふりしぼりながら名前を呼ぶので、

『寝言であんなふうに私のことを呼ぶとは…相当日々の鬱憤があって、私と喧嘩してる夢でも見ていたんだろう』

と、心地良い睡眠を妨害された〜なんて最初のうちは軽く怒りながら報告を聞いていたくらいなもので…。

私がどんなに怖がることがあっても、姉は確信を得たかのように

「あなたは大丈夫!見たくても見えないタイプだから!」

笑いながらそう言っていました。

たしかにこれまで一度も見たことはない。

ただ、それから私にも気配や音(声など)は感じるようにはなったので、

「(姉は)見えないと言ったのに、わかるようになっちゃったよ」

と言うと

「でもごくたまにでしょ?大丈夫、見えることはないから。感じたとしても何かあなたに起こることはないし。たまたまだったと思えばいいよ。」

あっけらかんとそう話してきました。

わかる人にはそんなことまでわかるのだろうかと

不思議な感覚になりました。

そんな姉なので、心霊写真や何かが映っているPVやTV番組など、まだここにいます!的な場面にならずとも、即

「あそこにいる!」と、ご丁寧にも詳細に教えてくれます。

私が「え?見えないよ〜。わからない」と言っても、指差してまで「ここに顔があって○○色の洋服を着ていて…」と、気付くまで説明してくれるのは、正直うれしくなかったですね(苦笑)

怖い話投稿:ホラーテラー ちっちゃこさん  

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