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中編3
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あ あ あ あ あ (前編)

気がつくと私は薄暗く埃っぽい場所に立っていた。

沢山机が並んでいるので恐らく学校の教室か何かなのだろう。

(この場所、見覚えがあるような...?)

必死に思い出そうとし、私の中で一つの答えに至った。数年前まで通っていた中学校だ。中学校に通っていたのなんてもうずっと前のことのような気がするし、今更懐かしむような思い出もなかった。

(私はなぜここにいるんだろう)

あたりを見わたすと、それこそ記憶のままの教室であったものの、ところどころ曖昧な点があった。

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(そうだ、これは夢の中だ)

そういえば昨日、久しぶりに同期の由香にあったんだったな。由香とは中学校3年間同じクラスで、同じ陸上部の仲間だった。そんな彼女とs宿駅でばったり会ったときは本当に運命かと思った。

(中学校の夢なんて、、きっと由香に会ったせいだなあ)

私はそんなことを思いながら教室から外に出た。

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廊下は教室よりも一層薄暗く、突き当たりがぼんやりと見える程度だった。教室の扉の上を見ると1年C組。

(やっぱり)

私が毎日通っていたクラスだ。いざ見てみると、やはり懐かしさはあるものだ。

どうせ夢の中なのだから、と 私は久しぶりの学校をしばらく堪能することにした。

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足元があまりにも暗かったので、ライトで照らすためスマホを取り出そうとポケットに手を突っ込んだ。

(あれ?)

スマホが覚えているよりも小さいような気がした。

(おかしいな...)

手に持ってみると、明らかに今自分の使っているスマホではなかった。

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shake

(...ガラケー?)

それは確かに小さなピンク色のガラケーだった。

私は暗闇の中、目を凝らし背の部分を見た。ツルッとした本体とは違う、ガサガサした感触。

そこには確かに、当時好きだったおさるのキャラクターのシールが貼ってあった。

(まさか...)

(これ.......私のだ....)

中学卒業と共にスマホに乗り換え、とっくに捨ててしまい忘れていたはずのガラケー。

(今になって突然目の前に現れるなんてな...ハハ...)

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しばらく壁と記憶を頼りに廊下を進んでいくと、目の前に階段が現れた。学校では緑階段と呼ばれていて、1年生は使えないという暗黙の了解があった。

緑階段を登って左に曲がると職員室だったはずだ。きっと懐中電灯か何かがあるだろう。

一段一段しっかりと足場を確かめながら登っていく。階段の高さすら懐かしくかんじる。やけにリアルな夢で、夢だということを忘れてしまいそうだ。

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階段を二つ分登り切ると、2階についた。

また壁を伝い、左の教室への扉を探す。

(あった)

扉に手をかけるとガチッというロック音だけが虚しく響き、扉はびくともしなかった。

(え、鍵がかかってる、、、?)

こんな時についていないな、なんて考えながら引き返そうと後ろを振り返ったその時。

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shake

(!?!?!?!?)

背中に激しい痛みと集中的な熱を感じた。

「グッッ___」

口の中が鉄の味でいっぱいになり、私はその場に倒れ込んだ。

突然のことで理解が追いつかず咄嗟に顔をあげる。

shake

目があった。

血走った、黒目が白濁した目。

焦点は合っていないが、こちらをしっかり捉えていることがよく分かる。鼻や口からは血なのか鼻水なのか唾液なのか、汚い液体をだらだらと垂らし、こちらに向けて笑いかけている。

(いや、この表情は....)

「ア....アア....ア.........ウァ..ア...」

(何...!?!?)

shake

そこでまた、次は首に激痛を感じた。血がどくどくと溢れ出しているのが分かった。

(苦しい....!!!痛い!!!!)

だんだん呼吸も困難になり、頭がくらくらしてくる。

(どうせ夢...なんだし.....)

そこでぷつりと意識が途切れた。

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