夫をはじめ祖母に義母、みな霊感体質らしく『見える』ことはもはや普通になっているようなのです。
「『見える』ことは怖いことではない」
と言う彼に
「でもこの世に存在しない人が見えてしまうって、怖いと思うけど。」
と私。
なんでも彼はじめ代々霊感が強い家系とかで、祖母がまだ現役バリバリの頃には除霊のようなことをしていたそうなのです。
家全体に強力なバリアのようなものが張り巡らされていて、悪いものは近付いて来れなかったと言います。
それも先祖代々の方々が守り、今でもそれは変わらないんだそうです。
夫がまだ幼稚園〜小学生の頃、働く義母に代わり、祖母が帰宅後面倒を見ていたと言いますが、当時から夫は当たり前に霊と遊んだり会話をしていた!
これを聞いたとき、人間じゃないとわからない?と聞きました。
すると、明らかに人間じゃないなぁと思っていたけれど、悪意を感じなかったし、そのオーラがとても温かいもので安心感さえあったから気にならなかったと語りました。
ある日、いつものように祖母宅に着くと誰もいず、おやつはあるかな?とリビングに入ろうとしたとき、廊下の奥から同じくらいの年頃の女の子がいたそうです。
誰だろうと思ったが、敵意などを感じなかったので
「一緒に遊ぶ?」と尋ねると女の子は頷き嬉しそうに笑って、彼が語りかけることに頷いたりはにかんだりしていたようです。
しばらくして祖母が帰宅。
すると、女の子はすっと消えいなくなりましたが、夫はこういう女の子が遊びに来たんだよと、女の子の髪型や顔立ちなどを話したところ、
祖母は
「それはおばあちゃんの娘だよ」
と言いました。
祖母の話によると、義母&叔母の二人姉妹ではなく、義母の上にはもう一人女の子がいました。
三歳のとき、自宅前の道路で交通事故に遭い、亡くなったそうなのですが、ずっと家にはいて守ってくれているのだと。
同じ年頃の夫が一人でいたから、不憫に思って出て来たのかもしれないね
と、笑いながら話してくれたそうです。
それからも夫が祖母宅で一人留守番のときなど、必ず現れ遊んでいたそうです。
夫が五歳のとき
祖母宅の前にある道路で遊んでいると、男の子が寄ってきて
「一緒に遊ぼう」と言ってきました。
瞬間、夫は
『なんか嫌な感じがするな』と思い、
「今からお手伝いしなきゃいけないから遊べない」
と言って祖母宅に入ってしまいました。
その子は恨めしげにじっと門の外から見つめていて、しきりに遊ぼうと誘ってきました。
夫は窓ごしに
「おばあちゃんに怒られるから!」と言うと、悲しそうな表情をして消えたそうです。
それからも男の子は現れましたが、祖母に怒られるからと断るとすっと消え、門から入ってくることもなかったと言います。
よほど祖母の力は甚大だったのでしょうか…
恐るべし…おばあちゃま…
祖母と義母ともに
「生きてる人間ほど恐ろしく、おろかなものはない」
「人間が1番怖いよ」
と言います。
生身の人間のほうが、時に残酷であったり念が激しいものだとも。
生き霊
にもなるくらいだしね
と、話していました。
なるほどと思いつつも、霊的なものもやっぱり怖いよ〜と思ってしまう私でした。
怖い話投稿:ホラーテラー まみ〜さん
作者怖話