中編5
  • 表示切替
  • 使い方

アパートの古い鍵

2年ぐらい前の話です。

一人暮らしをするために、不動産に一人で行きました。そこの不動産の受付の女性が「鍵は、208号室の横の消火器の中にあります。」

というのでひとりで部屋を見に行きました。たしかに鍵は消火器の中に入っていて、ほかの空き部屋の鍵も入っていました。

その時は気づかなかったのですが、そのアパートに住む人は、空き部屋の鍵の場所を知っているのでいつでも入れるってことですよね?

私はそのアパートが実家から近いということ、3万8千円で安いということ、改装されとてもきれいだったことでその部屋を借りました。

引っ越しも片付き疲れてすぐ初日は寝てしまいました。すると夜中隣の部屋から大音量で音楽が流れ、男が大きな声で歌いだしました。オペラのように歌いだしました。時計をみたら3時でした。

頭にきて、パジャマのまま隣のインターホンを押しました。すると出てはこなかったのですが音楽がやんだので部屋に戻りました。その次の日も夜中に音楽を隣の人はかけ始めました。どうやら仕事から戻るのが3時のようです。またか?と思い、壁越しに足で蹴りました。でも止まらなかったので、また隣の家のインターホンを押しました。

すると今度ドアが開きました。するとものすごく物の腐った匂いがし、若い男が出てきました。足下にはゴミ袋が山のように積んであり、台所はゴミで埋まっていました。

「あのー夜は音楽やめてもらえません?」

と言うと、すごく腰が引くい人で

「す、すいません」

と言います。これでもう明日からよく寝れるだろうと思いました

でも次の日も夜中3時頃になるとまた音楽が響きました。これは本人に行っても無駄だ、不動産に言いに行こうと思い、

次の日早速不動産に行きました。この前とは違う女性が接待してくれました。

「あのー。下島の◯◯の208号室の者ですが、隣の方の事で。」

とまだ内容も言っていないのに

「ああ、騒音の方ですか?」と言うのです。

有名なんだ、と思い注意してくれるように頼み、その日は自宅に戻りました。

私は帰るととてもお腹の調子が悪く、トイレにこもっていました。でも仕事があり、体調不良のまま出かけました。そして仕事から戻り、トイレに行くとなんと便座があがっているではないですか!しかもテッシュが床にちらばっています。

なんで?まだ私しか鍵持っていないのに!誰かが入った?

私は部屋を調べました。すると物は取られていないんですが、仕事に行く前にきれいにたたんだ布団がぐちゃぐちゃになってました。誰かベッドを使ったようなのです。

気持ち悪いので、次朝、不動産に電話をし、部屋をかえてもらえるようにお願いしましたが、不動産の支店長は

「お客さん、本当に鍵かけたんですか?それかピッキングにあったんでしょうね。部屋を代えることはできますが、お客様の場合5日住んでらっしゃるのでクリーニング代、手数料など掛かりますから10万円は掛かりますよ、鍵を代えるなら2万円ですみますが。」といいました。

私は、その台詞にブチ切れ、

「は?わたしまだ5日しか住んでないのよ!なにそれ!クリーニング代?それになんで住んですぐ、人がこの部屋に住んでると知るのよ?知ってるとしたらこのアパートの住人ぐらいよ!本当に鍵代えてんの?」

というと

「当たり前じゃないですか!しっかり鍵を代えてますよ」

戸言うので、もらった鍵がとても古くて汚かった事を伝えると、

「うちは物件をたくさん持ってますので、いろんなところで使っているんです、中古ですが、同じ物件の鍵は絶対使いませんので、うちには落ち度がありません。」

というので、私も負ける訳にはいかないので

「それに隣の人騒音がひどいのよ!それを入居の時伝えなかったじゃない!それって違法じゃないの?」

と言うと向こうは

「こちらとしても、1件1件の内容は把握していません、受付の女の子はその事を知らなかったのでは?」

としゃあしゃあに嘘を並べるので

「あんた何いってんの!昨日、私、なにも言ってないのに受付の子は騒音の人と言ってたわ!」

と言ってやりました。その後その支店長がぶつぶついうので

「もういいわ!大家に言う!」

と言って電話を切りました。

大家は不動産とは全く違い、

「かわいそうに、女の子の一人暮らしじゃ怖いわよね、すぐ代えてあげるから。」

と言いました。

空き部屋は3つ位あったのです。

でも不動産が反対し無償ではうちが損をするからと言い張り、部屋は代えてもらえませんでした。

何日かしてうるさくない左側の隣りの方が引っ越しをされました。その日のうちに鍵の交換に業者がきました。

私は不振に思い

「すみませーん。鍵って、いつ交換してるんですか?」

「かぎですか?その方がでてすぐですよ?」

と言うので私は勝った!と思いました。

だってすぐ引っ越したら鍵を代えその鍵を新しい人が

入るまでずっと消火器の中に入れてる事がわかったんですよ。やろうと思えば合鍵なんていつでも作れます、500円で!

私は鍵の業者にお礼を言い、不動産に文句を言う準備をしてました。

すると、反対に不動産の方から電話がきたんです。

私は

「ちょうどいい、言いたい事があったんですよ!」

といいました。

すると

「はい、わかります。鍵の事ですよね、今業者から電話がありましてね、その事で誤解があったので御知らせしようと思いまして、うちはたくさんの業者を使ってますから、いつもは新しい方が入られる前に鍵はかえてるんですよ。今回は間違えたようですが」

と言うので

こいつじゃ言い訳するだけだと思い、一度電話を切り

実家に戻り、やくざのように怖い父に今までの事を伝えると

父は鬼のようになり、すぐさま電話をかけ

「おまえかー!◯◯ちゅうやつは?お前んとこは鍵を使い回しにしたくせに、鍵も適当につかっとるようだなー!いますぐ謝りにこい!」

と言ってくれました。

すぐその不動産は菓子折りを持ち、実家にきました。

次の日には鍵も無料で新品になり、隣の騒音男も父のおどしで2週間ぐらいあとに引っ越して行きました。

みなさん、部屋を借りる時には不動産に念を押しといた方がいいですよ

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

Concrete
コメント怖い
10
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ