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短編2
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車のサイドミラー

これは去年の今頃、地元の茨城県で体験した出来事。

夜の3時過ぎ。

俺は友達と海岸線の道路を車で走っていた。

他愛もない世間話をしながらドライブを楽しんでいた。

そして、俺達の車が磯崎という場所にさしかかる。

曲がりくねった海岸線沿いの街灯もまばらな道に入ってすぐだった。

俺が異変に気付いたのは…

所々にある街灯の下を過ぎる度に車の助手席側のサイドミラーに何かが映ってるような気がした。

助手席にいる友達は気が付いていないようだった…。

そいつは怖がりだったから俺はその時は何も言わなかった。

…街灯の下を通る度にそれがはっきりと見え始める。

そして、俺はサイドミラーに映るそれが何なのかが分かってしまった…。

……子供(多分女の子)が、車の助手席側の車外にしがみつくようにして、どんどん前に迫って来ていた。

サイドミラーにはその子供がはっきり映っていたのに、やはり友達は気付きもしない。

俺もヤバそうだったから気付いてないフリを決め込んだ。

でもやっぱり気になって仕方なかった俺が再びサイドミラーに目をやると…。

子供が助手席の窓の斜め後ろぐらいまで来ていて、顔をベッタリと窓にくっつけて、車の中に入ろうとしていた。というより、この時既に、閉まっている窓をすり抜けて子供の手は車内に入り込んでいた。

その手が友達の首に回ろうとしてた時、本当にヤバイと思った。

一か八かで、車が壊れるのを覚悟して、俺は友達に少し窓際から離れる様に言って、車の助手席側をガードレールにぶつけた。

ガガガガガ……!!

その瞬間に子供が消えたのを確認した。

俺は車を路側帯に止めて、外に出た。そこにあの子供の姿は無く、代わりに車体側面がえぐれた自分の車の無残な姿があった。

友達が慌てた様子で俺にどうしたのかと聞いてくる。俺はさっきまでの出来事を友達に話した。

友達は何かの見間違いだろ、と言って俺のやったことが信じられないといった感じで、帰りの道のりを心配していた。

車がガードレールにぶつけた時にバーストして自走出来なかったので、とりあえず警察とレッカーを呼んだ。

俺達は真っ暗な道で警察とレッカーが来るのを待ち続けた。

20分位して警察がきた。

懐中電灯片手にパトカーを降りてきた警官は、俺達に怪我はないかと聞いて、事故を起こした俺の車を調べ始めた。

「ちょっといいかな?」

警官が俺達を呼ぶ。

車の側面を懐中電灯で照らしながら警官は妙な事を言った。

「窓に手の跡みたいなのが付いてるけど、事故の時、人を跳ねたか巻き込んだかしたかな?」

……友達の顔から血の気が引いていた。

それから車は後日、廃車にした。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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