小学3~4年生の時だった。親に「ランドセルを2階(の自分の部屋)に置いてきなさい!!」と言われ、夜9:00ぐらいに置きに行った。 いつも、帰るとすぐに、ランドセルをリビングに放置するのが癖だったのでこういうことになったのだ・・・。
その頃のオレは超絶のビビリで、心霊とかそういう類のものがとても苦手だった。
月明かりが窓から差している暗い部屋を開けると、壁の陰になって暗い部分に、その影よりさらに黒いマリオネット(のような人型)がベッドに腰かけていた。身長はオレと同じぐらいだった。
そいつは作りかけの木彫りのマリオネットのように、目も鼻も口もない。 だけど、そいつは影の中にいるのに、輪郭がはっきり見えるぐらい黒い。まさに、漆黒の闇といった感じだ。吸いこまれるような闇だった。
そして、そいつは笑いながらオレを見つめた。目も鼻も口もないのに、笑っているのを感じ、視線もひしひしと感じた。
嘲笑うような余裕のあるニヤニヤとした表情だった。 しばらく見つめ合い、目が離せず動けなかったが、我に返り泣き叫びながら1階へと降りて行った。
実はこれ以前にも、その部屋で影の異形のものを見たことがあった。その時は、おじいさんの姿をした影が伸びてきた・・・。 感じたものは怒り。
あの部屋は、霊道の途中にでもあるのだろうかと考えてしまう・・・。 ただ、3回見た異形のものが、3回とも影(あるいは真っ黒)のものという共通点があるのは引っ掛かるが・・・。
怖い話投稿:ホラーテラー サマエルさん
作者怖話