まだ自分が中2の頃の話です。
当時自分の成績は絶望的で、放り込まれる様に塾に通っていました。
部活の後に始まり、帰る頃には11時過ぎる事も珍しくありません。
毎回塾帰りにアイスやらジュースやら買い食いするのが楽しみでした。
ただ、その日に限って補習を喰らって0時が近づいていました。
買い食いどころじゃねーと自転車を飛ばし、普段使わない近道(街灯が少ない林に隣接した砂利道)を使いました。
道を半分程進んだ頃です。
道を囲む草むらからがさがさと何か動きました。
不気味に思いながらも更に急がせると、どうも草の音が追いかけているようにも聞こえました。
風も特に強くないので流石に気持ち悪くなり、怖いですが自転車を停めて様子をみてみることにしました。
すると、まるでタイミングを見計らったかのように草音はしなくなりました。
肩をなでおろし、再び漕ぎ出そうとした時です。
ぐしゃ、ぐしゃ、と今度は草を踏みしめるような物音がします。
音は自分の5m程後方から近づいてきます。
感じた事のなかった恐怖で体が動かずいるとソイツはのっそりと草むらから出てきました。
それは4足で歩いており、一瞬猫か何かと思いましたそんな考えは直ぐに消えました。
『それ』は自分と同じ程の大きさであり、四つん這いというよりブリッジをした人間のように見えました。
竦み上がって情けない悲鳴を挙げ、自分は半狂乱になり、自転車を全力で飛ばしてやっとの思いで自宅につきました。
暗くて姿ははっきり見えませんでしたが、今でも思い出すだけでも寒気がします。
怖い話投稿:ホラーテラー 七海さん
作者怖話