ぷるるるる、ぷるるるる
機械音が鳴り響いていた。
非通知。
ぷるるるる、
呼び出し音が煩くて、俺は居留守を使うことにした。
しばらくして、留守番電話のメッセージに切り替わる。
「あたし、メリーさん。
今あなたのマンションの玄関にいるの」
これがうわさのメリーさんとやらか。
ぷるるるるる、ぷるるるる
「もしもし、あたしメリーさん。今マンション6階にいるの」
ぷるるるる、
壁にもたれかかって、俺はケータイを手に取った。
「あたしメリーさん、今あなたの部屋の前にー・・・」
「あの、すいません。
俺の家一軒家です。」
そういい捨てると、メリーさんはしばらく無言になった後、
「すみません、間違えました」
と礼儀正しく謝ってきた。
マンションっていうところから可笑しいとは思った。
でも、メリーさんは懲りなかったようで。
「あ、じゃああたし、今からあなたの所に行くわね」
ぷつん、
一方的に切られて、少し苛立ちを覚えた。
「来なくていいんだが・・・」
そう言ったとき、また電話が鳴り始めた。
「もしもし?」
「あたしメリーさん。いまあなたの後ろにーーー・・・」
「俺の後ろは壁ですが。」
それからメリーさんからの電話は来なくなった。
おしまい。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話