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短編2
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思い込み

金縛りにあった

初めてだったが、思い込みのようなものと考えていたのでそこまで怖くはなかった

自分の部屋のベッドの上で首だけが動く

周囲を見回すとドアが勝手に開き始める

ドアの先には黒髪長髪の女性が立っていた

テンプレかのようなこと運びなので、この先の展開もある程度予想できていた

女性が部屋に入りじわじわと近寄ってくる

予想通りだったが流石に少し怖いので体を動かそうとする

もちろん動くはずもなく、近寄ってくるのをただ待つことしかできなかった

女性がベッドの真横までくるとそこで立ち止まり何かボソボソと呟き始めた

顔を見ようとするが髪に隠れて見えず、何を言っているかも聞くことができなかった

少しの間それが続き、やがて呟きが止まった

次の瞬間に、女性は姿を消していた

そろそろ終わるのかと思い少しホッとした

......が、終わらなかった

突然、窓が叩かれる

急な展開に焦り体を動かそうとするがまだ動かない

数十回叩かれた後窓が勝手に開き、さっきまでいた女性が部屋に入ってきた

女性はまた何かを呟きながらベッドの横までくると立ち止まり、次第に声がうるさくなっていった

何を言っているのかはやはり聞き取れなかった

女性の声は叫んでいるかのように大きくなった

女性を見ているのが怖くなり一度女性から視線を外すと声がピタリと止んだ

いなくなったのかと思い再度振り向くがまだいる

女性が徐々にこちらを向き始める

目を瞑りたかったが視線を外すこともできなかった

口元だけが見え始める

笑っていた

その瞬間、手首を掴まれた

握る力は強く、少し痛みを感じるほどだった

振り払おうとするが体が動かない

もう片方の手が首元へ迫ってくる

女性の手が首に触れた瞬間、友人からの着信音で目が覚めた

すぐ電話に出て友人の内容を聞く前に起こったことを話すと、ただ思い込みだろと笑われた

やっぱり金縛りなんてそうだよなと思いながら、友人と話し、電話を終えた

携帯を耳元から離そうとしたその時、携帯のスピーカーから「また今度」と女性の声が聞こえた

金縛りとは本当に思い込みなのだろうか

Concrete
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