短編2
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サンダル

この話しは小学生の時の実話です。

ただ、あまり怖い話しではありませんが不思議な話しです。

当時、私の地元は住宅街であったが建物も少なく、民家がポツポツと建っていてあとは畑や田んぼに囲まれた田舎でした。

その代わり、遊び場所には困らず学校から帰ってきてはランドセルを放り投げ宿題もせず、いつも友達と林を散策したり、空き地で野球したり、とにかく毎日外で遊び回ってました。

そんなある日のことです。その日は友達と二人で地元の池から流れている用水路に魚を捕まえに行きました。

網と虫かごを持ち、直ぐに用水路に入れるようにサンダルを履いて行きました。

その日もメダカやタナゴ等沢山の淡水魚を捕まえることが出来、友達と一緒に意気揚々と帰りました。

私の帰路途中に友達の家がある為、私と友達はそこで別れました。

私はこれで自宅の水槽もまた賑やかになるなぁ…と、虫かごの魚を眺めながら歩いていると突然片方のサンダルがスルッと脱げてしまいました。

「あれ…」と、思いサンダルを拾ってみるとサンダルの鼻緒?足の指の箇所が千切れてしまっていたんです。

私は仕方なく片方のサンダルを持って帰りました。

自宅に着いてオカンにサンダルの鼻緒が千切れてしまったことを伝えました。

私はその時何気なしに「こういう時って何か悪いこと起こるんちゃうん?」て冗談で話すと、オカンが「そんなこと冗談でも言うたらあかん。」と注意されました。

それから、ぼちぼち晩御飯の時間が近づいた頃、「ピンポーン」と、家の呼び鈴が鳴った。

近所のおばさんだった。

何やら深刻そうに私のオカンと話し込んでいる。

おばさんが帰って、私はオカンに「何、何?どうしたん?」と尋ねると、オカンは「おばさんの旦那さんが突然亡くなったみたいやわ」

私は子供ながらに絶句していた。すぐに先ほど話したサンダルの鼻緒のことが頭をよぎったがさすがに話せなかった。

そして、私はオカンが何を考えていたかは分かりませんが、もしかしてオカンもさっき私が話したサンダルのことを考えていたのかも知れません。

よく茶碗が割れる、何かが壊れるといった現象が起こると不吉なことが…と言うようなベタな話しはありますが私は肯定もしないし否定もしない。

ただ、そういうことが起こると昔の忌まわしい記憶が蘇りあまり良い気分になれない。

長文、乱筆乱文にて失礼いたします。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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