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短編1
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ちょうだい

私の幼少時代の体験談です。

私は田舎に住んでいます。家から少し離れたところに、祖母が世話している畑がありました。

何をすることもなかったので、私は祖母の畑仕事をするところをお菓子を持ってついて行きました。

祖母の畑から少し離れたよその家の土地で花をつんで遊んでいた時、ふと視線に気付きました。

山側の茂み付近に女性が1人立っていました。

容姿は着物姿で、頭から羽織をかぶった中年女性でした。異様に思ったことは、肌が白過ぎて口紅がやたらと赤く見えた事です。

変な人がいると思いましたが、さほど気にせず花つみを続けていると、こちらに徐々に近づいて来ていることに気付きました。

少し不安になって祖母がいるところまで行こうとした時に、おばさんに

「なんかちょーだいぃ?」と、猫なで声で言われました。にたっと笑った口からは歯茎とボロボロの黄ばんだ歯が見えました。

私は何もない!と言いましたが、おばさんは聞こえていないのか、同じ言葉を何度もいいました。

怖くなって祖母の所まで駆けて行こうとした時に、つまずいてお菓子を落としてしまいました。

するとそのおばさんが、すごい勢いで落ちたお菓子を口にいれて、これまたすごい勢いで茂みの中に戻って行きました。

あれは何だったのか??

怖い話投稿:ホラーテラー かずささん  

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