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   「あいうえお怪談」第1章「あ」                                

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   「あいうえお怪談」第1章「あ」                                

第1章「あ行」

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第1話「あぁ・・・」

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帰宅し、家のドアの鍵を開けた瞬間、

あぁ・・・

家の中から、かすれた女のため息が聞こえた。

一瞬 ゾクッとする

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「誰かいるのか。」

と声を上げるも、返事はない。

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―なんだ 気のせいか 

1(ワン)ルームにひとり暮らし 人手不足 サービス残業 深夜帰宅が続いていた。

ーたぶん、そのせいだろう

ベットに 疲れた体を横たえる。

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まどろみ始めてすぐ、急な寒気に襲われ、手繰り寄せたタオルケットに身を包んでも、なぜか震えが止まらない。

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あぁ

あぁ

あぁ

断続的に聞こえる 女のため息。

身体が硬直し、動けない。

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唯一動く目は、意志とは裏腹に、なぜか声のする方へと向いてしまう。

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あぁ“あぁ”あぁ“

ベットと壁の隙間に こちらに背を向け 顔を斜め天井に向け佇む女がいた。

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「それで。その後のことを教えてください。」

「女は、それきり一度も現れてはいないんですが。」

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自覚しているのかいないのか、男は、何度も あぁ、あぁあぁ

ため息ともうめき声ともつかぬ声を挙げた。

「それから、よく眠れなくて医者 いしゃあぁぁぁぁぁ通いしてまして。あぁあぁ、あんまり、怖くなくてすみません。」

 

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男の肩に、ドス黒い影が差したように感じた。

「いえ、十分怖かったです。貴重な体験談ありがとうございました。どうぞ、お大事になさってください。」

私は、簡単に礼を言うと、男より先に店を出た。

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@ねこじろう 様
お読みいただきありがとうございます。
素敵なコメントも感謝いたします。
とても励みになります。
たいそうな目標をかかげてしまったかしら(^_^;)と少し怖気づいてもいますが、日々、継続は力なりを体現したくチャレンジ&トライしてみることにいたしました。
1週ごとに、「あ行」から「わ行」まで、1年でちょうど52週走り抜けたいと思います。
今週12月3日から9日は、タイトルの冒頭に「あ」の付くお話 (※3~5話ぐらい以下同じ)
来週12月10日から16日までは、タイトルの冒頭に「い」のつくお話
以下「う」「え」「お」(12月31日の週で一応あ行は、終りになります。)
来年1月からというよりは、ちょっと前倒しして 12月スタートになりました。
駄作拙作だらけになるかもしれませんが、箸休め的な存在になれればとも考えています。
健康第一に頑張りますので、よろしくお願いいたします。

忌憚ないご意見・ご感想・叱責・激励 諸々よろしくお願いいたします。

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あいうえお怪談、、、
面白い試みですね。
この続きが楽しみです。

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@アンソニー 様
お読みいただきありがとうございます。
また、評価とコメント感謝いたします。
いつも励みになっています。

新シリーズお楽しみいただけましたでしょうか。
こちらは、ほぼ1年以上続けられたらいいなと思い立ち上げてみました。
出来れば、週3回以上は、投稿したいと思います。

こちらは、基本一話完結ということにしています。
全章とおし、「聞きがたり」という形式を取らせていただくことになりました。

霊感ないよ。とい仰る方でも、一度や二度ぐらいは、「不思議な体験」をしておられます。
出会いをとおして得られた怖い・不思議な体験談を描いていく予定です。
また、本シリーズとは別に、単独のお話も投稿していきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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