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まじ体験談なので、そんなハッキリとした何かが起こった訳じゃ無いんだけど、、、
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割と全国的にあるチェーンのラーメン屋。
マイカー通勤なので、よく1人で立ち寄る。
お一人様だと案内される席は
大体いつも同じだ。
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同じ席に座り、いつも通りチャーハン付きセットを注文。
出てくるまでの間、何となくスマホのブラウザを開いて、適当なワードを検索したりして時間をつぶすのだが。
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ふと、画面がいつもと感じが違うのに気付いた。
「ヘルプが利用可能」
「今すぐ相談する」
「こころの健康相談統一ダイヤル」
などの文字が大きく中央揃えで表示されている。
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無意識に、検索していた単語が
「自殺」
だったからだ。
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「なるほど、最近芸能人の自殺ニュースなんかでも、『こころのなんとか』ってリンクが必ず張ってある。
これ見て、
「1人でも思い留まれば良いよなぁ。」
・・・と、前回も同じ事を考えた事に、
ここで気が付いた。
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あれ!?
俺、先週もこの席に座って
「自殺」と検索したよな?
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キョロキョロと店内を見渡してみても、見える範囲のどこにも「自殺」と言う文字も、それを連想させるような物も一切無い。
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俺は自殺願望もなければ、何かに絶望するような事も、ここ最近全く無い。
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単なるデジャヴか?とも思ったが、
前回も感じた違和感が、やけに生々しく甦る。
この席に居ては
・・・いや?
この店に居てはだめな気がする!
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店員さんにお詫びして、店を出た。
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翌日、SNSにその体験を書いてみた。
「それ、引っ張り込まれてるよ!気をつけて!」
「二度とその店に行っちゃだめですよ?」
「あと、何気なく変なワードを入れないように」
ダイレクトメッセージではあったが、沢山の警告が届いていた。
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もしかして危ない状態だったのだろうか?
第三者がこんな書き込みしてたら、
俺だって止めるだろうが。
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「ま、久々にコメントも沢山付いたし、いいか!」
くらいの感覚で、
数日経つと俺もすっかり忘れていた。
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仕事がキツかった日の帰り車中にて、
彼女にビデオ通話して渋滞の暇つぶし相手を担わせた。
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夕飯何食べようか?と言う話題になってすぐに、
「あのラーメン屋は行っちゃダメだよ?わかってるよね?」とクギを刺された。
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「行くわけないじゃん(笑)」
と笑いながらごまかしたが、その時点で
フロントガラスのむこうに
ラーメン屋の看板が見えている!
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慌てて左折した。
彼女にも、近くまで行きそうになってることが
ビデオ通話画面の背景から解ったようだった。
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「う、うどん屋さんに行くつもりだよ?
ラーメン屋の近くではあるけど、うどん屋は関係ないだろし?」
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彼女は、ホッとした様子で、
また他愛ない話を続け、
やがて、目的地に着いたので、
切ろうとしたスマホから、
カナギリ声が聞こえた!
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shake
「そこって、ラーメン屋じゃない!?
後ろにラーメンの看板見えてるんだけど!!?」
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どこをどう走ったか覚えていないが、
避けたはずの、例のラーメン屋に
気が付いたら辿り着いていた。
もちろん大慌てでエンジンをかけて、その店から離れたが。
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引き寄せられたのだろうか?
彼女に止められなければ、
またあの店のあの席で
「自殺」を検索するのだろうか?
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その先は・・・考えないことにしている。
作者ZING
初投稿になります。ZING(ぢん)と申します。
この話は実体験です。
自殺を誘発したり、美化する意図は全くありません。
いつも沢山のお話を読ませていただいてます。
ほんの数編しかネタはないですが、この話が評価されるようなら、もう少し投稿してみたいなと思ってます!