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短編2
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水子供養の儀式

除霊師の佐藤は、助けを求めて訪れた松田という女性から奇怪な相談を受けた。

松田の家では壁や床から常に水が染み出し、夜になると霊障がおこると言う。

松田は、自身が流産した子供が自分を呪っているのではないかと恐れていた。彼女は、流産を非常に後悔しており、子供を産めなかったことで苦しんでいたらしい。

怪奇に耐えかねた松田は以前、ある占い師に相談して

指示された儀式を実行したが、効果が見られず、状況は悪化する一方だった。

その占い師は電話相談で儀式の方法を指導し、儀式を行うように指示したそうだ。

しかし、佐藤が調査を進めると、占い師の存在に関する証拠は一切見つからなかった。電話番号も、連絡先も全て無効で、占い師に関する情報は完全に消えていた。

さらに調べた結果、その占い師の名に該当する人物は同区内に住む何の変哲もない主婦であり、またかなり前から行方不明になっていることがわかった。

佐藤は、松田の家に行って調査を行った。家の中は異常に水浸しで、奇怪な現象が頻発していた。

松田は恐怖に震えながらも、「この儀式がうまくいかない」と訴え続けた。

佐藤は松田が行った儀式の詳細を調べ、正しい儀式を探したが、例の占い師が指導した内容は完全に誤りであり、むしろ危険な儀式だった。

数日後、連日捜査を進めていた佐藤のもとに、松田が亡くなったという連絡が入った。

彼女の遺体はバラバラに切り刻まれて床に散らばっていた。

しかし司法解剖によると、直接の死因は溺死であった。

ただ、発見された家の中に

水は一滴もなかったという。

その後、松田の墓参りのためにお寺を訪れた佐藤は、松田の墓の隣にある小さな墓を見つけた。

水子供養の墓であることはわかったが、その墓には名前がなかった。

それを不思議に思った佐藤は、お寺の僧侶にその理由を尋ねた。

僧侶はため息をつきながら、過去の出来事を語り始めた。

「松田さんが堕胎した子供には『クズ』という名前が付けられていました。しかし、この名前は非常に不適切とされ、お墓には名前を記さず、ただの墓として扱われました。」

この話を聞いた佐藤は、松田の過去の罪が、いかに恐ろしいものであったかを痛感した。

のちにすぐ、佐藤は行方不明になった。

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