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中編3
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呪いのビデオ

二年前のある日、登山好きの友人のAから山の中で呪いのビデオみたいなの見つけたから見にこいよ。

という内容のメールがあった。

その頃、怖い話やホラー映画にハマっていた俺は、ワクワクしながらAの家へ向かった。

Aの家につくと、そのころ仲のよかったBも着ていた。

A「まぁ、あがれよ。」

中に入るとAの部屋に案内された。

部屋に着くと、Aは机の中からおもむろに一本のビデオテープを取り出した。

A「これなんだ。」

Aが取り出したビデオテープは、ところどころ傷がついており、プラスチックの部分が一カ所ひび割れていた。

ラベルのシールは損傷が激しく、何か書いてあるようだが読み取れなかった。

俺「これ壊れてんじゃね?」

B「なかのテープがまだ大丈夫そうに見えるぜ。」

A「取りあえず、つけてみるぞ。」

Aは恐る恐るビデオデッキにそのビデオを差し込んだ。

再生

一瞬、ザーッと砂嵐のようになったあと、ある男の背中が映し出された。

男は後ろ姿なのでよく分からないが、40代前後のリーマン風の男のように見えた。

こちらに背を向けたまま、ひたすら何かを貪っている。

薄暗い部屋で、クチャクチャ音をたてながら。

B「なんだこれ?」

俺「このおっさんなに食ってんだ?」

A「カップめんじゃね?(笑)」

などと話ていると、急に画面が右にズレた。

右に画面がズレた瞬間、俺は、心臓が高鳴り冷や汗が流れたのを感じた。

他の二人もそうだったに違いない。

背中を向けて何かにひたすらむしゃぶりつく男。

その横、画面から見て右の場所。

そこに横たわる、頭と四肢が切断された女性。

頭は体の横に置いてあり、顔はこちらの方向を向いていた。

目はしっかりと開けてこちらを見ている。

B「おい、なんかやばいぞこれ。」

俺「え、ちょっと待て。まさかさっきからこの男が食ってるのって」

俺が言い終わらない内に画面が男の背中に切り替わった。

さっきまでのクチャクチャと言う音も消えて、男はピクリとも動かなかった。

その状態が約五分ほど続いたとき、男に変化が見られた。

かなりゆっくりだが、こちらに顔を向けようとしているのが分かった。

Aが早送りする。

徐々に男の顔がこちらに向いている。

そして完全に振り向こうとした時、画面が砂嵐のようになりテープはそこで終わっていた。

B「なんかやばいもん見てしまった気がする…」

俺「俺も…なんか気分悪いわ」

A「んだな。あ、帰るなら送るよ。」

Bは俺が帰るならと、その日はそのまま帰っていった。

俺は帰り際にAに聞いてみた。

俺「あんなビデオどこの山で見つけてきたんだ?」

Aは表情一つ変えずにこういった。

A「富士山の樹海。」

コイツ自殺でもする気か?と思ったが、

特に何も言わないことにしてその日は帰宅した。

それから一週間後にAからとんでもない内容のメールが届いた。

A「例の呪いのビデオ、ドラえもん上書きしちゃったorz」

あれから二年経った今でも、Aは元気に暮らしている。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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