これは自分が高校生の時の話です。
うちの近くに三階建ての廃墟があります。
そこは元々女子寮だったそうなんです。
管理人さんはおじさん。
どうやら噂では何物かが建物を放火し、住んでいた女性達は全員死亡。屋上まで逃げた管理人さんも炎の熱さに耐え切れず、飛び降りて死亡。
という噂でした。
高校生の時、心霊スポット巡りみたいなのが流行っていて、軽い気持ちで行きました。
メンバーは、俺、霊感の強い友達、後輩A、後輩Bの四人で行きました。
道路のわきに車を停めて、さっそく暗い細道を歩き始めました。
今にも消えそうな薄暗い外灯が一本立っている。
それを目印に横の草をかいくぐると柵があり、それをよじ登り廃墟の敷地に入った。
ほとんどの窓や扉は全部木の板でふさがれていたが、一つだけ中に入れそうな場所を発見し、中に侵入した。
中に入ると床のほとんどが穴だらけで、壁は焦げ跡のようなものばかりだった。
歩いて階段を探している間、何個か部屋があったがゴミや木クズだらけだった。
ついに階段を発見した。が、一階と二階の間にかなり巨大な鉄板みたいなものが道をふさいでいたが、何物かによってヒト一人がくぐれるぐらいにこじ開けられていた。
二階を探索し始めたが、ここらへんからラップ音や奇妙な声が聞こえたりし始めた。
ここにくる前にコンビニで買ったラジオ付き懐中電灯が早くもこの時点で機能しなくなった。
みんな怖がりながらも三階へ上がり探索していたら、三階の一番奥の部屋がおかしな事に気付いた。
他の部屋はホコリやゴミだらけなのに、この部屋だけやたら綺麗だった。
きっとここが元々管理人の部屋だったんだろうとなんとなく思った。
そこからまた階段を上り、例の管理人が飛び降りたであろう屋上に着いた。
周りの柵が錆びてたり柵がなかったりして危ない。
結局この時点でラップ音や奇妙な声のようなものしか聞こえていない。
ただ暗くて密閉感があり怖いだけでたいしたことないと判断し、結局一階まで降りて外へ出た。
期待はずれだったため、とりあえず車に戻った。
すると後輩Aが呼吸しづらいと言いだし、具合の不調を訴えた。
車で少しゆっくりすることになり、後輩Bが後輩Aの介護をしていた。
だが、自分と友達は期待はずれ過ぎて何か物足りず、二人っきりでもう一度中に入ることにした。
また最初の薄気味悪い細道をゆっくり歩き始めた。
すると外灯の下にぼやっと黒い影のようなものが見えた。
よーく見ると女の人の影のように見えた。
俺がそれを指差したのと同時に、友達も気付いていたのか同じところを指差した。
するとその瞬間、その黒い影がこっちに向かってきた。
近くなるにつれて影がめちゃめちゃでかくなってきた。
マジやばいと思って二人同時に車へ逃げ込んだ。
ふと屋上の方を見たら、おじさんのような人が柵に手をかけて、首が尋常じゃないぐらいしたに伸びていてこっちを睨んでいる。
ハンパじゃないと思い、ダッシュで車を出した。
その時、友達が運転していたんだが、急に左肩がヤバイと言い出した。
何かと思い左肩を触ってみると、右肩は普通の柔らかさなのに、左肩があり得ないぐらいガチガチに固まっていて、ついには左腕が動かないと言い出し、ブレーキを踏むのも遅く、電信柱に突っ込んだ。
気が付くと俺は病院にいた。
二、三日寝てたらしい。
俺と後輩Bのケガは打撲程度。
友達は二日目ぐらいに目を覚ましたが、左腕が挟まれたらしく切断することを余儀なくされた。
後輩Aは残念ながら、ノドにパイプのような物が刺さり出血多量によって亡くなったと伝えられた。
呼吸しづらいと言っていたのと何か関係あるのかと勘ぐった。
それ以来、あの廃墟には一切近づいていません。
その事件のせいか、俺らの関係は崩れた。
最近聞いた話、左腕を失った友達は気を病んでなのか、自殺したらしい。
今でも思い出すだけでゾッとします。
皆さんも軽はずみな気持ちで心霊スポットに近づくのはやめましょう。
あまり怖さが伝わらなかったらごめんなさい。
長文すみませんでした。
怖い話投稿:ホラーテラー ラガマフィンさん
作者怖話