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中編4
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ロッカー

五年ぐらい前、俺が高校生の時にあった出来事…

その頃の俺はどうしようもないほどめんどくさがりやで、物事に興味を持っていなかった…いつもグダグダと生きていた感じだった。そんな時にネットで「人生いりませんか?」という広告を見つけたんだ。最初はなんだこれ程度にしか思っていなかったんだけど、内容を見ると四億円が手に入るみたいな事が書かれていたんだ。

それに開催場所が近くにある廃工でやるみたいで「見るぐらいなら…」そんな感じで友達と廃工に行ったんだ。廃工の中は外とは似つかないほど綺麗で中心に駅とかにあるロッカーがぽつんと置いてあった。廃工の中には俺達以外にも何十人か人がいた。

そして開催の時間になるとある一人の男がロッカーの前に立ち言った。

男「今からゲームを行います。金物類を近くにある箱に入れてください。」

男は全員が箱に入れるのを確認するとこう言った

男「では、ゲームの説明をさせていただきます。ルールはなんでもいいです。靴が二足ある状態でゴールしてください。ではスタート!!」

そこにいる全員がハァ?みたいな感じだった。少し時間が経ち一人の男が隣にいた人の靴を取りゴールした………

前書き・ゲーム合図をした男=A男

少し静寂の後……一つ・二つ・三つ物音がし…その場にいた全員が周りの人の靴を奪い合いだした。十分ぐらいし半分の人がゴールにつきゲームは終わった。俺は勝ち残った偶然落ちていた靴を拾い、しかし友人達は駄目だった…。

A男「第一時ゲームをこれで終了させていただきます」

負けた人達「じゃっ靴返してください・家に帰ってもいいですか?」

A男「それはできません。負けた方々にはこのロッカーに全ゲームが終わるまで入っていてもらいます。」

全員がハァ?っという顔をした。それもそうだA男が入ってもらうと言ったロッカーは大体、縦横深さが30cmぐらいの普通のロッカー、幼児が頑張って入れるぐらいの大きさだ。

負けた人「なもん入れるわけねーだろ!!・帰っていいですか?用事がある……」

A男「我慢してください」

A男がそう言った瞬間役員らしき人達が負けた人達をロッカーに押し込み始めた。叫び声・骨が折れる音・普段は耳にしない音・強烈な臭い・液体・中から壁を叩く音・最後の人が押し込まれるとA男はにやりと笑った……

俺達勝者は見ていることしかできなかった恐怖で体が動かなかったんだ。 生存者24名

真っ赤に泣き腫らし、涙、鼻水、よだれで顔がグシャグシャでシャツとズボンにはなぜか血がにじんでいた。

「どうしたんだっ!何があったんだ?」

ロッカーの中に立っていた彼は崩れ落ちるように四つんばいになって這い出てきた。

体中ガクガクと震え立てないようだ。

「@§#&※♂△☆±≒▼∃*」

泣き喚きながら意味不明な言葉をを絶叫している。

よくよく聞いてみると「ドアが開かない」とか「誰も開けてくれない」とか言ってるようだ。

学校中が大混乱になり、Iは即座に病院に連れていかれた。

先生たちにいろいろ聞かれたが、こっちにもさっぱり訳が分からない。

私たちがいじめで閉じ込めたわけではないのだ。

後で分かったのだが、Iは授業開始数分で飛び出すつもりだったという。

それまでわざと軽く音を立ててみたりしていたのだ。

そして「いざ!」という時に扉が開かなくなったのだと。

ロッカーの扉は押せばしまり、引けば開く単なるフタの役目しかしていない。

授業も半分を過ぎるころからIは本気で助けを求めだしたという。

扉を内側からガンガン叩き(これでこぶしを切り血が出てきたようだ)大声でわめき、つま先でけり続けた。

しかし、教室内はまったくの無反応、まったく音に気づく様子はない、授業の様子はロッカーの中にも聞こえてくるというのに。

Iはその後助け出されるまで気も狂わんばかりに絶叫しつつ扉を叩き続けたという。

教室内の私たちはその時授業をしていた先生も含めて、叫び声どころかノックの音すら聞こえなかった。

Iがわざと立てた物音以外にはまったくの無音だった。

普段ならまだしも、Iが飛び出してくるのを期待して集中していたにもかかわらず。

幸い、Iはごく軽い怪我ですんだ。

行方不明にも精神病院送りにもならなかった。

Iが無事だったおかげで、いじめではなかったことが証明された。

彼は扉に付けられた数個の細長いスリットを通して見ていたのだ、私たちが何もしていないことを。

そして、まったく自分に気づいてくれず、完全に無反応な教室内を間近に見ながら泣き叫び、血が出るまで扉を叩き、助けを求めていたのだった。

怖い話投稿:ホラーテラー Lさん  

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