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中編3
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警報灯

昔、体験した話です。

私は老人施設で看護師として働いていました。

なかには身寄りのいない老人もおられ…

そういう方が亡くなった場合、火葬して遺骨にして、自治体の方が引き取りにこられるまで施設で預かるのですが…

その夜…夜勤だった私は、不思議な体験をするのです。

一階の一番奥の部屋に、

(仮にA子さんとしましょう)

A子さんの遺骨が置いていました。

A子さんは数日前の私の夜勤時に急変され、亡くなった方です。

なので…夜勤の巡回時に、「あーもういないんだ」などと思いながら巡回していました。

一通り異常なく巡回して、スタッフルームに戻り、他の夜勤スタッフと談話をしていると、その警報灯は突然光りだしたのです。

この施設は警備会社と契約しており、完全にセキュリティーで守られており、もし外部からの侵入者がいたら、至る所にある警備会社のセンサーに反応して中にいる我々に警報灯が光り知らせてくれるのです。

一瞬、凍りつく私たち…

間もなく警備会社の人から電話があり、「何か異常がありましたか?」と

しかし中にいる我々は全く何も感じない。

カーテンを開けても特に何もない。

しかし機械が何か異変を察知したのは間違いないので、警備会社の人が今から向かうので、それまで絶対にドアは開けないで、いいですね?と、真剣な口調て念をおされ、また警備会社の者とわかる確認も教わり、警備会社の到着を待っていました。

数分だったのですが、異様に長く感じました。

警備会社の人が到着し、初めは外回りのチェックを…異常なし。窓も割られていないしドアも問題ない。

で……今度は中を…私も一緒に確認します。

まず、一階の正面玄関から天井につけられたセンサーを確認していきます。

警備会社の人…「異常なし」私…「異常なし」

しかし、ある場所にきたらセンサーが点滅している。「ん?」と警備会社の人…

私は背筋が一気に凍りつく。

そう、その場所はA子さんの遺骨が置いてある部屋の前。

そしてドアを開けて入ると部屋のセンサーも点滅状態。

警備会社の人が部屋を確認するも異常なし。

「おかしいな〜確かにこの部屋なのになぁ」と警備会社の人が独り言のように言った。

私は何もなく良かったと安堵し、その部屋を出ると、警備会社の人が「あっ」と突然言った。

その視線の先には…

玄関からその部屋まで続くセンサーが全て点滅している。

ありえない。

だって今さっきまで異常がなかったのに。

そう、まるでA子さんが部屋まで私たちを呼んでドアを開けたら、玄関に向かって行ったような…そんな気がしました。

きっと最後をみた私にお別れを言ってくれたのかな?と…

怖さはありませんでした。

涙がこみあげてきました。

職業柄、不思議な体験は何度かしていますが私は常にポジティブに受け止めるようにしています。

余談ですが、警備会社の人は帰り際、首を傾げて「不思議だ」と言って帰られました。

つたない文章ですみません。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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