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短編2
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口裂け女②

明日は選挙の投票日だというのに、ある大物政治家の選挙事務所は、閑散としていた。

秘書の、賄賂による買収容疑が、スキャンダル化した為である。

誰もいない選挙事務所の椅子に座り、秘書はうなだれていた。

そこに一人の女があらわれた。

大きなマスクをした女だ。

秘書は女を見ると、

「ああ…君か、いやいや、君のせいじゃないんだ。この選挙事務所は、最初からマークされてたんだ、まあ、なるべくしてなった結果さ…。」

そう言うと、秘書は自虐的に笑った。

すると女が口を開いた

「ワタシ…キレイ?」

秘書は言った、

「ああ…綺麗だよ」

「コレデモ…?」

女は、ゆっくりとマスクを外した。

そこには、耳まで裂けた口があった…

秘書は、大きな声で言った。

「ああ、綺麗だよ!

外見なんて、目で見える物でしかないんだ!僕の汚れきった心に比べたら…

君は、とても綺麗だよ。」

女は何も言わず、ただ秘書をみつめている、

秘書は話を続けた。

「君はその容姿で、都市伝説の地位を築いた、クチサケ女…

僕は、この話術で今の地位を築いた、

クチサキ男…

クチサケ女と

クチサキ男、

なかなか、いい組み合わせだね。」

女は何も言わず立っている…

秘書は、女の目をしっかりと見て言った。

「醜いのは君じゃない、この世の中だ!

なあ…僕も君の世界に連れて行ってくれないか?」

その時、女の目から、大粒の涙がこぼれ落ちた。

そして、口裂け女と、口先男は、手をつないで、夜の闇へと消えて行った…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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