とにかく広い、一人でやったら丸一日かかりそうだ。
「じゃあ、な、。」
坊主は、パチンコに出掛けてしまった。
俺は、空腹と戦いながらがんばろうと思ったが、やはり逃げ出すことにした。
すると、どこで見張ってたのか、昨日の俺みたいな男二人がきて、二人がかりで俺を押さえ付け、納戸みたいな所に閉じ込められてしまった。
そこに閉じ込められてどれくらいたっただろう、
いきなり扉が開いて、そこにはパチンコに行ってた坊主がいた。
坊主は、
「お前、掃除、してない、メシ、なし、」
俺は、
「いや、閉じ込められたの、アイツらに」
しかし、坊主は何も聞かず、何処かへ行ってしまった。
俺はもう、空腹と疲労でボロボロだった。
自分の部屋に帰ると、部屋が荒らされていた。
お気に入りのTシャツと、PSPがない…
「アイツらぁー」
俺は完全に切れて、部屋を飛び出した。
と、部屋の外には坊主がいて、
「お前、うるさい、早く寝ろ」
と、投げ飛ばされた。
俺は、部屋に帰ると、涙があふれてきた。
後から後から涙がこぼれる…
すると、トントンと誰かがドアをノックした。開けると、そこに住職がいた。
手には、おにぎりの乗った皿を持ってる。
住職は静かに言った。
「昨日の、悪意の鏡を見てごらんなさい、そこに人の悪意がうつってますよ。」
俺は、鏡をみた。
そこには、グシャグシャな顔をして、目は赤く、空腹や疲労に疲れきった俺がいた。
住職は、
「人の悪意を受けた人は、みんなあなたのような顔をしています。今、鏡で見た顔を忘れてはいけません。」
そう言って、俺におにぎりを渡した。
おにぎりは、めちゃめちゃ美味しかった。
俺は、その寺で二か月暮らした。
本当に良い経験をしたと思う。
友達も2人できた。
みんな寺で更生した。
住職さん
ありがとう!
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話