シミ…?2の続きです
なんなのだろう、
酔っていたのか好奇心からか、その糸を引っ張ってしまったのです。
それはプチンと簡単に千切れました。
「…なに、これ?」
艶々とした光沢、真っ黒で細い、
髪の毛。
それを理解した瞬間吐き気がしてトイレに駆け込みました。
訳も分からず涙を流しながら嗚咽をもらしていたら、
殺したの?
そんな、女の人の声が聞こえました。
「ちがうよ、殺してない!!殺してない!!!」
私のくちは意思に反してそんな事を口走っていました。
(なに!?誰!?)
そう考えた瞬間、私は気を失っていました。
次に目が覚めたとき、私は私のアパートの廊下に寝転がっていました。
と同時に、一気にフラッシュバックしてガタガタ震え出しました。
すぐさま家の鍵と財布だけ持ってそこを転がり出ました。
服が汚物だらけでもそんなことは構いませんでした。
幸い朝早いということもあって人には会うことなく一番頼りになる友達の家へつきました。
ピンポーン!ピンポーン!
ドンドンドンッ!!
「開けて、開けて●●(友人の名前)!!!」
眠たそうに出てきた友人は私の様子を見て表情を一変させました。
「どうしたの!?何があったの!!」
最初は動揺していや、いやと泣きじゃくるしか出来ませんでしたが、だんだん落ち着いてきてゆっくりと状況を説明しました。
「それは、…やばいかもね」
考えこんでいた友人は急に呟くと何処かに電話し始めました。
「…はい、はい、…そうです。…はい、…わかりました」
友人は落ち着いた表情で受話器を置くと、私に大丈夫だよ、と微笑んでくれました。
友人の家系はお寺の住職らしく、こうゆう事は度々あるようでした。
しばらくして住職さんがわざわざ友人宅まできてくださいました。
住職さんは、
「これは酷い」
と私をみて顔をしかめました。
「何が酷いんですか?」
「あなたの全身が髪の毛で覆われているように、私には見えます」
あの髪の毛かな、と思いました。ものすごく鳥肌がたちました。
「…なんで…?」
「あなたの…、家ではないな、…あなたの先祖かと思います。…多分お風呂に、…あなたの家系を恨んだ女性がいるんだと思いますよ」
住職さんは私の頭に手をかざしながらそう言いました。
「どうしてわかるんですか?」
「オーラと、あとは電話で聞いたものの憶測です」
続きます
怖い話投稿:ホラーテラー 真優さん
作者怖話